夜が死んだ
どうもよなかくんです。最近めっちゃ面白い漫画見つけたんですよ~。ワンピースって言うんですけど。
さてさて、よなかくんと月曜の理屈
第百一回は「夜が死んだ」
第百一回 夜が死んだ
社会人になった。
お昼ご飯は社員食堂で同期と一緒に食べた方が安上がりだと分かっているのだけど、食堂特有のあの列の流れに乗ってガヤガヤした空気の中で自分の要望をおばちゃんに的確に伝え、必要なものを素早くとり、サッと列から抜けるなんて器用な真似が出来そうになくて一人ヴェローチェでサンドイッチを食べている。社会人だしな。一日500円くらい、いいかという気持ち。
世間はコロナでテレワーク推奨・外出自粛の真っ盛り。研修は滞りなく行われ、マナー研修にも行かされる。様々な企業から会議室に集められたスーツ姿の社会人一年生たち。講師はノーマスクで議題は「マナーとは何か」……すでに言いたいことが三百個くらいある。
講師が相手を慮る気持ちを説いている間、僕は端までびっしり印刷されたテキストがホチキス止めで読めなくなっているのが気になっていた。
テキストをなるべく開こうとぐっぐっと押し付けていたら急に指名されてみんなの前で喋らされた。こういう場面義務教育で数え切れないくらいあったなと思う。
ただ、その後も何故か同じ苗字の人を指名していたので僕の不真面目さがバレたのではなく、おそらくこの苗字の人間に親でも殺されたのだろうと思った。マナーとは何なのかは結局よく分からなかった。
金曜の夜、真っ直ぐに家に帰って飯を食って風呂に入った。翌日は休みなのだから好きなだけ起きていればいいのに23時になると気絶するように眠りに落ちた。
土曜の朝、目覚ましもなしに7時にすっきりと目覚めた時、ああ、夜が死んだと思った。深夜ラジオを聞きながら絵を描いたり映画を見たりアニメを見たり本を読んだり。あの深く透き通った時間としばしの別れなのかと思うと悲しくなった。
もう一度眠ることも叶わずベッドを出た。外はいい天気である。朝陽を浴びてお腹がぐうと鳴り、これは健康なことで、と思ったら今度は笑えて来た。良くもないけど悪くもない一週目。言いたいことは30個ぐらいあるが、とりあえずもう少し頑張ってみることにする。