死と出会い 22話 デート
愛理に頼み事をしたけれど、「自分でしなよ」と言われ、冷たくあしらわれた。彼女を振ってから明らかに態度がおかしい。それも、仕方ないこと。
[僕、絵里ちゃんに話しがあるから明日の放課後、中学校まで行くから一緒に行ってくれない?]
と、愛理にメールを送ったのはさっきのことだ。
あれから愛理からまだメールは返ってこない。彼女をふってから明らかに態度がおかしい。でも、しかたないかぁ。愛理の気持ちを考えたらそうなるかもしれない。
そして約三時間後の午後七時過ぎ。スマートフォンが鳴った。メールがきた。本文を見ると、
[秀一、私に頼らないで一人でいきなよー]
僕はそれを見て驚いた。まさか、そんな返事がくるとは……。さらにメールをうった。
[なんか、愛理冷たくないか?]
返事はすぐにきた。
[そんなことないよ。普通だよ]
普通じゃない、と思った。
[電話していいか?]
と、送るとすぐに、
[いやだ]
と、返ってきた。完全に嫌われた。僕は、唯一の親友を失った、と思った。それ以上、メールを送る気になれなかったので止めた。
僕は麗香先輩にメールを送った。親友を失った、という旨の内容を。
今、スマートフォンの時刻を確認すると、16:31と刻まれていた。
彼女は一体何をしているだろう?
それから約三十分後の午後五時頃に麗香先輩からのメールがきた。
[あら、そうなの? 何があったの?]
と、いう内容の。
[電話していい?]
ため口で訊いてみた。
[うん、いいよ]
了解をもらったので、電話をかけた。ワンコールで繋がった。嬉しい。
「もしもし、麗香さん?」
『うん、大丈夫? どうしたの』
「僕の女子の親友がいるんですけど、この前告白されたんです」
『え! そうなの? それで?』
麗香先輩は驚いている。嫉妬、というやつかな。
「友達のままでいよう、と言いました。そしたら、涙ぐんだ様子になったけど、これっきり付き合いなくなるのは嫌だから、と言うので現状維持です。でも、態度がおかしかったので質問しても答えてくれませんでした。」
『そうなんだ。でも、うちのことは忘れないでね』
「もちろんですよ」
『そっか。これから時間空いてるの?」
僕はその言葉に反応し、
『空いてますよ』
と、答えた。すると、
「会おう?」
積極的な、麗香さん。僕は嬉しくなり、
『いいですよ! 会いましょう!』
と答えた。一気に僕のテンションは上がった。
「とりあえず、17時30分頃マックで待ち合わせしようか」
『そうですね、わかりました!』
この小さな町にはマックは一軒しかないからすぐにわかる。
「用意できたら連絡ちょうだい? うちも連絡するから」
「はい、わかりました!」
こうして僕と麗香先輩は初デートをすることになった。今は夏なので北海道とはいえ、暑い。なので、黄色いTシャツに青いハーフパンツを履いて家を出た。小屋に入っている自転車を出して地元のマックに向かった。楽しみだぁ。
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