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タイムアウトでスタッフの協力を得る工夫

こんにちは、内視鏡技師エンドーです

私は、年間1万件以上の検査をしている内視鏡室に勤めています

内視鏡の管理やスタッフ教育が主な仕事です


今日は、内視鏡室に勤務しているスタッフに向けた記事です

前回、タイムアウトについて書きましたが、その第二弾です

タイムアウトに限った話ではないですが、何かを始めようとすると、反対勢力が迫ってきます

今回は、タイムアウトを進めるにあたって、医師や看護師に協力してもらうためにした工夫を紹介します

真新しい方法ではないですが、今のところは、協力が得られている状況です


そもそも、なんで、協力しようと思わないのか?

医師、看護師に聞くと、

・なんで必要なの?

・検査の件数多いのに、時間とられる

という「タイムアウトの必要性が分からない」という意見が多いです

協力しようと思わない理由が明確なので、それに対して、どうアプローチすればいいのかを考えました

そもそも、タイムアウトって、患者間違い、鎮痙剤の投与間違い、アレルギー薬剤の使用を防ぐためにします

うちの内視鏡で多いインシデントは、圧倒的にブスコパン禁忌疾患があるのに投与してしまう、鎮痙剤投与間違いで、それがタイムアウトでどれだけ予防できたかを医師、看護師に見せればいいのでは?と考えました

インシデントの内容的にも、タイムアウトで防ぐことができます


協力を得るために実施したこと

タイムアウトは、2020年9月末からはじめました

一度に外来も含めた全症例を行わずに、医師、看護師も導入に抵抗が少ないであろう透視下処置室、ESDから小規模に開始しました

まずは、2020年4月からのインシデントの件数と内容を調べて、内容的にもタイムアウトで予防できることを医師、看護師に力説しました

次に、タイムアウト開始(2020年9月末)〜2021年3月末までのインシデント件数と内容を調べて、2020年4月〜9月末までのインシデントと比較しました

・2020年4月〜2020年9月末までの件数:5件(歯の欠損、鎮痙剤投与間違い)

・2020年9月末〜2021年3月末までの件数:0件

タイムアウトだけで防げているとは思いませんが、大きな要因になっていると思います

それに加えて、インシデントにはならないけど、タイムアウトで発覚した間違い

・鎮痙剤禁忌疾患の有無:23件

・アレルギー:1件

・抗血栓剤の内服、休薬期間:14件

(透視下処置:383件、ESD: 72件中)


上記の項目は、病棟からの申し送りに頼っていましたが、タイムアウトを導入して、これだけの予防ができたことで、有効性を評価できる材料になりました

この結果を、堂々と医師が集まる部屋の壁に張り出しました


タイムアウトのセリフを用意する

その他の工夫として、タイムアウトを実施する時に、セリフと、何で(診察券?申し送り用紙?)確認するのかを統一したかったので、タイムアウトの内容を、「喋り言葉」にした用紙を作りました。
(例えば、「お名前を言ってください」「心臓病はありますか?」など)

みんな、このままの確認方法でタイムアウトをしています

医師にこの用紙を手渡すと、そのままタイムアウトが始まります

この用紙があることで、タイムアウトの方法が混乱せず、スムーズに進みました


これからの課題

導入は、なんとかできましたが、これからは「拡大」していきます

処置、治療はタイムアウトのタイミングが図りやすかったのですが、外来の患者さんは、検査台に横になって、鎮静剤を投与する直前に医師が検査室にくるので、いつタイムアウトをするのか?が課題になってきます

看護師の意見を聞きながら、いろんな方法をロールプレイングしながら試していきたいと思っています


この記事が、皆さんの明日の仕事の参考になれば嬉しいです












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