どーかついでがあったら
うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください。
10年ぶりに読んだ。
めちゃくちゃ悲しいことはわかっていたのだけれど、喉元過ぎれば熱さを忘れる選手権在独邦人トップ独走のエンデは「うわ~なつかし~これいい本ですよね~」と同僚から借りて読んでしまった。
結果として「うえ~~悲しすぎる…うっうっ」となっているので、親に会う際などは忘れた熱さをしっかり呼び覚まし今度こそ火傷しないよう警戒したいと思う。
なにが悲しいってもうそりゃ全部なのだけれど、白痴に戻りつつあるチャーリーの葛藤や、その葛藤さえも忘れ本来の「いいやつ」だったチャーリーに戻るところですよ……はあ。
こういうの読んで泣くような大人は軽蔑していたはずなのに、いつしかわたしもそんな安っぽい大人になってしまったのか。いやこの本が安っぽいと言っているわけではなく、ほんとうにすごい本だと思っておりますが。
最近あまり本を読めていなかった、と思ったがまあ今年はわたしの機嫌をとろうと必死な上司から定期的に本を借してもらったり、日本で買った文庫を一部消化したりできたので、まあフルタイム勤務+週一バイトの生活を送っていることを考慮すれば及第点といったところでしょう。本当はもっと書いたりしたいのだが、仕事でつまらないレポートばかり書いているともうプライベートでPCを開こうと思わなくなってしまう。あまり。来年はもう少したくさん読んだり書いたりできたらいいなと思う。チャーリーとおんなじことを考えている。
次はLEAN INを読もうと思う。
これも10年前から読もうと思っていた本だ。当時はフェミニズムになんて興味はなかったし、存在もあまり知らなかったが、よく本を読む知人がFBでシェアしていて気になったのを覚えている。彼は本当にたくさんの本を読んでおり、いつか知識レベルが追い付いたら本の話などしたいな、と思いつつ、差は一生広がるばかりである。
チャーリーのように知識欲にかられつつもすべて指の間からこぼれ落ちてしまうような、わたしの人生もそんなもの。もっと歳をとってシワだらけになって自分の周りの人も思い出せなくて家に帰れなくなっても、わたしはチャーリーのように思い遣りをもって他人に接せられるだろうか。自分が凶暴化して他人を傷つけるのが怖い。ずっと恐れているのは、自分が壊れてみんなが離れていって一人になってしまうこと。
お読みくださりありがとうございます。とても嬉しいです。 いただいたサポートがじゅうぶん貯まったら日本に帰りたいです。