詩「はげしいゆりかご」
非在のレールに乗っかって
進みゆく幻想汽車
ゆれるふれるくずれる
羊の眠りを妨げて
ゆれるふれるくずれる
追われて崩れた詩体の
眼窩より空道であった唇より
耳道より草花よ群生し
時の番人たる熊さん日の下で鮭を喰らう我らの大罪を罰せよ
手は曼珠沙華なれ
数多の詩体がそのようであれ
(空から降るという全能感)
詩の身体の山積するを
自我を捨てもうはや
自然の野へ返れ(環にきちんと入れよ)
名もない――(言葉を忘れて)――獣へ立ち帰れ
(もうはや、私の管理権は失われたから)
獣らし