遠藤ビーム

人間 | 2023年旅行記コンテスト:入賞 | よく旅をし、よく人間観察し、よくエッセイしてます。LINE返さないのにお歳暮のハムを送り合える友達が欲しいと願っています。

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奥歯に空芯菜が挟まったまま伝える妻への愛

右奥歯、奥から2列目の隙間に空芯菜が挟まった。 いつもより強めに歯を磨いても、奇跡的に嫁が持ってきていたデンタルフロスを使っても、なぜか取れない。 口の中を最新のiPhoneで照らし、鏡で確認すると、そこにあるのが見えている。なのに、なぜか取れない。Apple社も、まさか最新のiPhoneが、奥歯を照らす為に使用されているとは、夢にも思ってない事だろう。 凄まじい顔で、空芯菜と向き合っている『鏡の中の僕』と目が合った。もうジャックニコルソンにしか見えない。 『でも奥歯と

    • 【10月を歩く】もし根暗だったら100万払ってもいい

      歩きながら、考え事をしている。この気配、絶対、祭りをしている。遠くほ方から、僅かに、ピーヒャラピーヒャラ聞こえている。それに、街灯に括り付けた旗。絶対、祭りでしょ。もし、祭りじゃなかったら、100万円払ってもいい、くらい祭りの気配がする。探してみよう。しかし、一向に出店がない。そろそろ1件の焼きそば屋くらいあっても良いもんだが、何もない。それに、祭りにしちゃあ、人がいない。もしかしたら、祭りじゃないかもしれない。でも、耳を澄ますと、まだ、ピーヒャラピーヒャラは聞こえている。も

      • インド旅行記に専念するので、更新頻度少し🤏落ちます!

        • #創作大賞2024 に落ちて凹んでるけど、お前、馬鹿だったろ

          創作大賞2024、派手に落ちた。 真剣に望んで、結果落ちて、悔しいですが来年は頑張ります!これは今後の創作活動に必要な布石だったんだ!コンテストを楽しませてくれて、素敵な作品に出逢わせてくれて、ありがとう!のように敗北を美しがれる程、人間できてねぇので、声を大にして文句を垂れさせて頂きましょう。 全くもって、もう書きたくない。誰にも読まれないエッセイを1年コツコツ書き続けて、また1年やり続けなきゃいけないという展望に、もう泣きそうです。 中間結果発表から日が経っても、大

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        マガジン

        • しばらく歩きながら考え事をしていた
          8本
        • 勝手な人間図鑑
          3本
        • 遠藤ビームで「旅行記」
          10本
        • 鬼に笑われる
          15本
        • 恥も外聞も凄ぇある
          5本
        • 弱ぇ犬
          25本

        記事

          トマト人間

          片手に収まる、野球ボール大のトマト。 お尻のような、お尻じゃないような、少し歪んだ形。キャッチャーミットに向かって、思いっきり投げようもんなら、魔球でも繰り出せそうな、不規則 な楕円形をしている。 艶やかな深い赤からは、何かしらのプレッシャーを感じる。 実に、トマトらしいトマトだ。 汚れているようには見えないが、流れ作業のように、水道水で洗う。まな板の上に置く。「どこから切ろうか」と考えながら、指で転がして見せる。 このトマトの、未来は決まっている。このまま、包丁を

          いい歳なのに真っ直ぐなツバの帽子をかぶるイベントスタッフ

          とあるコンビニでのこと。ペットボトルの玄米茶を手に取り、おにぎりの前を通って、レジに向かおうとしていた。すると、パックジュースの前あたりに、たむろしている3人組がいる。1人は50代半ばくらいの男。他2人は若造。3人は、揃いの黒Tシャツ、黒スキニー。場所から考えると、イベントスタッフか何かかだろう。 ああ、すごい邪魔だ。通れない。 話への熱の入り方を見るに、今日のイベントについて話し込んでいるのだろうか。何かトラブルでもあったのか。いや、でも、それにしては楽しげ過ぎる。50

          いい歳なのに真っ直ぐなツバの帽子をかぶるイベントスタッフ

          しばらく歩きながら考え事をしていた

          歩きながら、考え事をしている。信号が、赤に変わった。左手のマクドナルドを越えた。公園。銀杏並木。自然に生えたとは言い難い、整理されたロケーション。全校集会の生徒ほど整列されている。その間を通るのは、なんとも偉くなったようで、気分が良い。夏。銀杏の葉は、緑である。少し先の秋に想いを馳せる。この道一体はマスタードイエローに染まり、地面にギンナンの実が転がる。それはそれは、臭くなる。子供たちがギンナンを投げつけ合い、空もギンナンで埋め尽くされる。秋。最高の季節。胸が熱くなる。汗だく

          しばらく歩きながら考え事をしていた

          違法駐車の運転手から、振り払われた虫のように逃げる緑のおじさん

          緑のおじさんが好きだ。 彼らは、違法駐車が蔓延するこの街を、整理してくれるからいい。そう言う意味では、彼らのおかげで、日本の平和は保たれている、と言っても過言では無い。 だと言うのに、「緑のおじさん」などという、雑な呼ばれ方をしている。そのもの悲しさが、僕の好奇心を刺激する。彼らのことが知りたくなる。 彼らは、偉い仕事をしているにも関わらず「こっそりと、いそいそと」違法駐車の写真を撮る。「みなし公務員は、微妙な立場だから」と自分を卑下しているのか、周囲を警戒しながら、ま

          違法駐車の運転手から、振り払われた虫のように逃げる緑のおじさん

          「なんとなく」で生きてんのかい

          皆さんは、頭良くて、お行儀もいいと思うので、こんな事言わないと思うし、というか、言う必要がないと思うので、代わりに言いますね。 自己紹介も兼ねて、言います。 悔しいんですよ。僕、音楽、めちゃくちゃ大好きなんですけど、軽々しく「音楽が好き」とは、言えないんです。 それは、僕にとって音楽は神聖な物で、聞くには覚悟が必要で、アーティストが練り込んだ熱を、出来る限り受け取りたいから、歌詞を聞いて詩の世界にグッと入ったり、息継ぎのタイミングから意図を汲み取ろうとしたりしているので

          「なんとなく」で生きてんのかい

          平日朝9時にジムにいる50代挙動不審マダム

          知りたい。あのマダムの気持ちが知りたい。 だって、AM9時、この時間のジムには人がいなくて、ラジオを聞きながらニヤニヤしていても、自転車の立ち漕ぎ中、多少声を漏らしても、問題がないと思っていたのに、1番奥のウエイトリフティングの台に、様子のおかしいマダムがいる。 今、彼女の事を観察し、10分ほど経過したのだが、チラチラこちらの様子を伺ってはいるものの、基本的にずっと携帯をいじっておられる。最初は、人の目を気にするタイプなのかと思った。目線の泳ぎ方からするに、トレーニング最

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          写真にはうつらない美しさがあるから

          写真フォルダを整理していると、3年前の伊勢志摩旅行の写真が出てきた。詳細までは覚えていなかったが、伊勢神宮に行き、その後、英虞湾を見に行っていた。 僕たち夫婦は、行ける年はなるべく、お伊勢参りをするようにしている。だが、ここ2年ほど、行けていない。なので、穢れが溜まっている。 近頃「エッセイは、思った事を全て吐き出さなければならない」という考えが体を蝕んで来ていて、エッセイ内のみに留めていた愚痴が、面と向かって人に文句を言うようになってきている。これは、どうしようもなく穢

          写真にはうつらない美しさがあるから

          【9月を歩く】魚って水中で飯食ってるけど味すんのかな

          歩きながら、考え事をしている。 めっきり、涼しくなった。夜はカーディガンを羽織り、ホットココア片手に、恋人と身を寄せ合いながら「寒いね」「うん、寒いね」のキッスがしたい。してみたい。そのくらいに、涼しくなったという事だ。しかし、油断して外に出ると「誰だよ、涼しくなったって言ったの」という怒りに侵される。季節の小悪魔に弄ばれている。銀杏並木。自然に生えたとは言い難い、整理されたロケーション。全校集会の生徒くらいビシッと整列されている。その間を通るのは、なんだか進路指導の先生に

          【9月を歩く】魚って水中で飯食ってるけど味すんのかな

          そっちの生活はどうよ

          滑りの悪い引き戸を開けると、湯気が立ち込める世界。まるで天国に来たように思える。桶が地面にぶつかる「ぽーん」という音で「湯気が天井からポタリと背中に、冷えなアハハ、冷えなアハハ」が再生される。 カランからお湯を溜め、半透明で黄色の桶にタオルを漬る。メガネを外し、低めの椅子に腰を掛け、目を瞑る。頭皮に当たるシャワーの連続音。シャンプーで掻きむしる爪の音。反響して聞き取れない笑い声。男の声か、隣の女の声かも判断が付かない。右の背中が冷たい。おそらく、隣のシャワーか、後ろのシャワ

          そっちの生活はどうよ

          いい加減ケツアゴばっか見ないで下さいよ

          僕は、ケツアゴだ。 ただ、あなたが思い描いているイタリアンマフィアのような、深く、1本くっきりとした線が通っている男性ホルモンのようなケツアゴではない。かと言って、岡山の白桃や、乳児のおしりを思わせる、優しくて暖かいて「まあるい」割れ方でもない。本当に多少、ちょっとだけ、ハート型に窪んでいるだけだ。 これを今までの人生、恥ずかしく思って来て、いざカミングアウトしてみると「大したことないな」と思う気持ちもあるし「やっぱり恥ずかしいな」と言う気持ちもあるので複雑である。どちら

          いい加減ケツアゴばっか見ないで下さいよ

          noteさん、僕のだけで良いので、「スキ」ボタンの横に、「文豪ぶった!」ボタンを作ってくれませんか?エッセイしてると昂って来て、すぐ文豪ぶる癖があるので、皆んなに見張ってて欲しいんですが、何卒、お願い出来ませんかね?

          noteさん、僕のだけで良いので、「スキ」ボタンの横に、「文豪ぶった!」ボタンを作ってくれませんか?エッセイしてると昂って来て、すぐ文豪ぶる癖があるので、皆んなに見張ってて欲しいんですが、何卒、お願い出来ませんかね?

          お前、馬鹿だったろ

          創作大賞2024、中間発表、派手に落ちた。 全くもって、もう書きたくない。誰にも読まれないエッセイを1年コツコツ書き続けて、また1年やり続けなきゃいけないという展望に、もう泣きそうです。 結果発表から数日経っても、しっかり悔しい。選考に残った作品の、次の順位があるとすれば、ギリおれなんじゃないか、ギリギリで落ちただけなんじゃないか、と心の傷を舐めるも、全然まだまだジュクジュクに血が出ています。 ため息。最近、どうもフォームを崩している。 書いてて苦痛なのだ。週1での投

          お前、馬鹿だったろ