Magic 後編
着いたマンションは比較的新しく、家賃は大体8万ってところか。
部屋は物が多いThe 野郎の一人暮らし感。
案外勉強熱心なのか本も読むようでかなりの量があったが、少し専門的な本はともかくゴミくそ詐欺師のエッセイ本が見えた気がしてそっと目を逸らした。
机上に置かれた帽子の中には千円札が何枚か入っており、売上管理が不用心だなと思う。
ロフトの上に寝室があるらしく、下の空いてるところに荷物を置いて上に上がることに。
夏には少しばかり不便だろうが、少年心をくすぐられるロフトに少しテンションが上がったのは内緒だ。
ロフトに上がり誘導されるまま隣で横になって小一時間。
え、何してんだ?コイツ。
急にルービックキューブを出してかと思えば披露をしてきて僕にやらせたり、手を合わせてこうすると解けないだの。
ムードを作りたいのか知らないが全然手を出されない為、もしかしてソフレ希望タイプのポケモンだったのか……?
そうして夜が更けて窓の外が明るくなってきた頃、ようやく一発ヤッたのは良いものの男は疲れたのか早々に爆睡。
前戯をしていないワケでは無かったが、ぶち込んだ時に初体験ですら感じなかった激痛に案の定終わった後も股に違和感を感じる。
もしかして裂けたか……?と考えながら呑気に横で寝てる男を見たら何だかイラついて、さっさと帰ってシャワーを浴びようと服を回収してこっそり家を出た。
その後ちんたら15分ほど歩いて、ようやく駅にたどり着く。
確認ついでに駅のトイレに入り、流すために振り返って便器を見るとB級ホラー映画のようで思わず爆笑してしまう。
午前6時、誰もいない駅のホーム。
「裂けてんじゃねぇか!!!」と、笑い声を響かせたあの清々しい朝の事を俺は忘れない。
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