インディーゲーム開発者がゲームショウに出展するメリット
はじめに
ゲームショウに出展するメリットとして、多くの人に知って貰うためのプロモーション効果としての期待が大きいと思います。
しかしインターネットが普及した今、「オフラインのゲームショウに出す意味はあるのか?」「出したけど効果が無かった」という声を多く聞きます。
その問いについて、自分なりに情報を分析してみました。
※なお筆者はSteamゲームを開発しており、この分析はSteamに出している他者様の出展情報やSteamDBでの情報を参考にしています。
口コミによる拡散
まず出展した際に一番最初に考えるのが、実際に遊んでくれたユーザーが楽しいと感じ、口コミで友人に伝えるケースです。
この場合の効果を計算してみましょう。
仮に2台のPCを置いて試遊時間を15分、開催時間を7時間として、途切れなくユーザーが回った場合の最大試遊人数は
2 × 4 × 7 = 56人
となります。
この56人の中でファンになってくれて、ゲームがリリースした際に購入まで至ったり、口コミで他人におすすめしてくれるケースは良くて数人でしょう。
個人でXやFacebook等で感想を書いてくれる方もいらっしゃいますが、私の調べた限り本当に少ないです。
つまり直接試遊や口コミによる拡散は効果が薄いという事になります。
メディアとインフルエンサーによる拡散
皆さんご存じの通り、プロモーション効果としてはこれが一番確実で、一番効果が高いです。
あるインフルエンサーに紹介されたケースですと、Steamのウィッシュリスト数が約2倍まで上昇しているケースも見られました。
そのため、過去にメディアとインフルエンサーに取り上げて貰っている実績のあるゲームショウに出展する価値は非常に高いといえます。
実績があり有名なのですと以下のゲームショウです。
しかしメディアとインフルエンサーに取り上げて貰えるかは、時の運です。
その確率を少しでも上げるためには、多くのゲームショウに出展する事が大事だと思っています。
プラットホームによる拡散(Steam限定)
Steam限定の話しにはなりますが、一部のゲームショウでは出展するとSteamのプラットホームで専用の特設ページが作られるものがあります。
例えばこのようなページです
この特設ページの効果は非常に高く、「普段増えない海外からのウィッシュリストも増えた」という声も聞きます。
特に東京ゲームショウのようなグローバルな祭典では日本以外からのアクセスも非常に多いため、ウィッシュリストの増加に莫大な恩恵を与えてくれます。
私の知る限り2024年8月現在でSteamの特設ページに対応しているゲームショウは「東京ゲームショウ」「Bitsummit」「東京ゲームダンジョン」です。
Steamの開発者はこの3つのゲームショウに出展する価値は非常に高いと思います。
特に東京ゲームダンジョンは出展費用が一番安いので気軽に出しやすいためおすすめです。
限定的な試遊の場としてのフィードバック
プロモーションとして以外にも、もちろんメリットはあります。
最近ではリリース前に体験版を出すケースが増えてきていますが、体験版のリリース時は、数少ない注目されるチャンスです。
一度出してしまうと多くのユーザーの目に止まるため、ユーザーの反応が悪かった場合にチャンスを逃してしまう可能性があります。
そのため体験版を公開する前にゲームショウで試遊して貰い、そのフィードバックを元に改善し体験版リリース、という流れが安全な方法の一つだと思います。
あとは実際に遊んでくれたユーザーの声や表情、面白いと言って貰えた時の感動や達成感も開発のモチベーションを高めるために必要です。
まとめ
口コミ効果は思ったより少ない
一番の狙いはメディアとインフルエンサーに取り上げて貰う事
Steam開発者は東京ゲームダンジョンに出展するのがおすすめ
以上になります。
最後に(PR:筆者の紹介)
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
以下は筆者の紹介です。
個人ゲーム開発者のSteamで「Neon Village」というゲームを作ってます。
主にXで開発者向けに情報を発信したり、作っているゲームの情報をつぶやいたりしています。
今後も情報発信を続けていきますので、興味がある方はぜひフォローをお願いします。