「できる!」が自覚できる合唱指導 #199
全国的にも有名な音楽の先生が、私の勤めている学校が母校ということで、毎年合唱指導をしてくださいます。毎回、「すごい!」と感動するくらい、指導前と指導後の歌声が変わりようがすごいのです。具体的なテクニックは、以下のリンクをご覧いただきたい(指導を文字起こししました)のですが、今日は今の私が感じたことを書きます。
有名な先生から学ぶ!子どものやる気と自信を引き出す方法 #1|エンチャント先生@小学校 (note.com)
1.人間的魅力
まずは話が面白い。そして、全国津々浦々の学校に飛び込みで授業をしているのと、色んな世代に歌を教えているので、説明が分かりやすい。年齢に合わせて分かるように話をしてくれます。やんちゃな子の扱いもうまいし、指導と笑いのバランスが絶妙。子どもたちは、一気に引き込まれます。そして、気づいたら乗せられて、自分自身のすごさに気づき、自信満々に歌ってしまうようになる。何回見てもその指導は、魔法です。教え込みではない、そのやり方は、私が目指している「学びを子どもに渡す」「学び方を教える」とかなりリンクしているように思いました。
2.「子どもは有能」と心から思っている
その先生は、子どもの凄さを知っています。しかも、心の底から子どものパワーを信じている雰囲気が伝わります。「君たちはすごいんだ!」ということを、理論的かつ1年生でもわかるように、説明します。この「子どもは有能」と思えているかどうかは、かなり大事な教師の資質だと思っています。
3.「自分でできた」をメタ認知させる
だんだんうまくなっていく子どもたちに、あの手この手でうまくなっていく自分をメタ認知させます。
①「よーし!俺は1番の歌い出しの練習しかしていない。でも、君たちは2番もこんなにきれいに歌えたんだ。ってことは、自分でうまくなっているとうことだよな!」
②「よぉーーし!じゃあ、この時計。ドラえもんの道具だ。今から20分前に戻すぞ。20分前の自分で歌ってみてくれ。(歌う)よし!じゃあ今の自分で歌ってみよう!(歌う)こんなにうまくなったんだな。」
とにかく、俺(先生)は少ししか教えていないのに、こんなにうまくなった!ということを強調します。それが分かりやすく、変化も明らかに大きいので、子どもは自然と自信がついていきます。
4.テクニックの引き出し
百戦錬磨の先生なので、すぐに目の前の子どもたちの今の課題を把握し、ぴったりな方法を提示してくださいます。それも、教え込みじゃない。楽しくやっていたら自然と、うまくなっている、そしてメタ認知。これは専門的知識、経験値、人間性があってこその神業です。
5.「歌い方」ではなく、「上達の仕方」を教える
「学習内容」を教えるのではなく「学び方」を教える。それと同じで、合唱指導で、「歌い方」ではなく、「上達の仕方」を教える。教えるというか、気づかせてくれる。
私もあの領域までいきたい。教え込まずに、押しつけがましくなく、やる気マンマンにして、上達する。「君はすごい。」と言い続ける。それも実感させながら。
以上、エンチャントでした。