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私の「しくじり」#164

 私が勤めている自治体で、勉強サークルを運営しています。月1回、勉強会をしていて、それとは別に年に4回、勉強フェスを開き、若手教員を中心に集客して講義をしています。今年度の2学期の終わりにも開催することになり「しくじり先生〜私たちの失敗談〜」にしました。私を含め、3名の先生のしくじりエピソードを紹介する会です。このテーマになったきっかけは、若手教員の「先輩たちの失敗談が聞きたいです。」という声がきっかけでした。先輩教員にもしくじっていた過去があったことを知ることは、後輩教員には意味があると思い、このテーマになりました。たくさんの先生方にお集まりいただけました。
 私の「しくじり」を簡単に紹介します。

 



1.やる気マンマンすぎて

 私は小学校2年生で小学校の先生になることを決めました。若くて元気でかっこいい担任の先生に憧れたことがきっかけです。それ以来は、その夢を叶えるためになんとなく勉強をがんばりました。順調に大学も卒業して、やる気マンマンの状態で着任しました。
 そんな私がしたことです。

 嫌ですねー。やる気マンマンなのはいいですが、今考えるとちょっとこわいですね(笑)こんな初任がいたら、「う!」となりますね。

 その頃の私は何かをするときは、学年で相談したり、そろえたりすることを知りませんでした。「なんか楽しそう!」と思い、勝手やって「やるなら相談してね。」と怒られました。

 その頃は時間も気力も有り余っていたので、子どもたちにことあるごとに手紙を書いていました。しかも、これも学年であまり相談せずに。組んでいる先生はいやだったでしょう!(しかし、昔の若かった自分のいい所は思い出したいです。)

 周りを見ないで、やりすぎていました。その結果、周りの先生から妬まれたり、疎まれたりしていたと、今となっては思います。また、持続可能じゃない努力をしてしまっていました。

 毎年クラス替えがあります。子どもたちは、また次の先生に出会います。そう考えると職員室の先生方みんなで一緒に成長していくことが大事だと今となっては思っています。それぞれのカラーは大事ですが。


2.勝手に判断して

 私は、見た目が偉そうで、なんとなく「できそう」と思われていたと思います。そんな人にアドバイスはしたくありません。
 初任研で出張に行くときに、補填計画を作るのですが、そんな私は学年の先生方に相談せずに勝手に作成しました。
 その結果、

 しかも、4月一発目の毛筆です。研修で教室を空けるわけですし、どんな授業でもやってもらえるだろうと勝手に思い込んでいました。今考えるとありえないと分かるのですが、その時は分かりませんでした。結果、おじさん先生に暗い部屋に呼ばれて怒られました。


 知ったかぶりや思い込みをしてしまうと、結局人に迷惑をかけます。辛いときやわからないときは「助けて」と事態が軽いうちにすぐに言える方がいいのだと、今では分かっています。


3.センスでなんとかなる

 1年目の私は教師の仕事は、「センスでなんとかなる」と思っていました。
 ある時、先輩の先生から「土曜日に研究発表に行かない?」と言われて、私は、「行かないですね!」と言い、心の中では、「(引くわ)」とまで思っていました。「平日頑張っているのだから休みの日は遊ぼうよ」と思っていました。
 そんな私が変わったきっかけの一つは「負けず嫌いな性格」です。初任研の研究授業をし、色々な意見を受け、「なにくそー!」「だまってろ!」と思っていました。もちろん、今はそんなこと思いません。いただけるフィードバックはとてもありがたいです。しかし、若い頃はそう思っていました。
 その結果、どうやらセンスだけじゃ乗り越えられない壁があると気づき、「成長したい」と思うようになりました。

 色んな役割を進んでもらい、経験を積みました。人との出会いを大切にし、刺激をもらいました。
その結果、
・研究って楽しい。
・教師としてもっと成長したい。
・成長するには、日々の努力と仲間が必要
と思うようになりました。

4.オラオラ系教師でした

・本気で怒って聞かせる
・げんこつを使った指導(指導じゃない…)
・グ―で机をたたく
・組体操や大縄、熱血指導

熱意は伝わる!と思い込んでいました。

 そんな若さあふれる指導を続けていたら、若いから子どもは離れていかないけれど、保護者からクレームをいただきました。時代の変化をヒシヒシと感じ始めました。『教室マルトリートメント』を読んだこともきっかけの一つです。
 「先生だってそうだよ。」このセリフは忘れられません。若い頃、大縄指導のときに得意な子と一緒に苦手な子にも厳しく指導をしていました。その後クラスで話し合いになり、苦手な子が言いました。「みんなに強く言われると跳べないよ…先生だってそうだよ!」熱いだけじゃだめです。

 「恐怖」は「教育」じゃないと、痛感しました。

5.気がゆるんで

 そんな私も、年々力を付け、「周りは、もはや敵なし」になりました。
慢心もあったと思います。マルチタスク人間とか言って、たくさん仕事を引き受け、バリバリ働いていました。そんなときに起きたしくじりです。

 文字を見ただけで冷や汗が出ませんか?転出児童の保健関係の書類が入った封筒、宛名を書き間違えたので、シュレッダーをしました。入れた瞬間に、中にまだ保健関係の書類が入っていることに気づきましたが、時すでに遅し。引っ張りましたが、悲しいことにすごいパワーで吸い込まれていきました。顔面蒼白になり、無言一旦自分の席に座り、5秒後に校長室に走りました。(なんとかなりました。)慢心・油断はいけません。

 連絡帳は個人情報満載です。謝って渡すことは許されないことですことです。これも、ちゃんと確認していなかったことが原因だと思います。もちろん、管理職と一緒に謝りに行きました。


 何度も確認したのに起きてしまいました。しかも、体の大きい男の子と、とても小さい女の子の名前が入れ替わっていました。完成した卒アルをめくり、そのミスを見つけた瞬間、冷や汗が噴き出しました。(結局、そのページは1Pまるまるシールを貼ってもらいました。)


 仕事の先には人がいる。仕事に軽いも重いもない。一つ一つ大切に思えば、ミスはしないはずです。

6.現在進行形でしくじっている

 現在進行形でしくじっています。ここでのしくじりはいいしくじりです。挑戦しているからしくじるのです。

 成功したことは、無意識でできるようになるまで続け、習慣にします。これが自分の力になるということだと思います。失敗したことは、改善してまた挑戦します。挑戦し続ければ、失敗じゃありません。

 今は、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」や「評価」、「業務改善」「職員室の望ましい在り方を考える」など複数のプロジェクトに挑戦しています。今、学校が大きく変わらなければいけないフェーズですので、たくさんしくじっていきたいです。


 守りに入る=思考停止だと思います。本当に大事なことを見つめ直し、変化していかないといけないと思います。

 以上、エンチャントでした。


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