研究発表 ふり返り 2024夏
なんの発表?
8月19日に研究発表をしました。自治体の中で各校から先生が立候補し作られたチームで2年間研究するというプロジェクトの中間発表でした。テーマは「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」です。市内の先生方も少しずつ注目しているテーマなので、たくさんの先生に足を運んでもらいました。市内小中学校の管理職の先生とあと2人は基本的に参加+希望者という形だったので、小さい市なのですが、約120人の先生が来てくれました。
私の研究
「学びを渡す」をテーマに研究をしてきました。一律一斉授業を徐々に減らし、自分たちで学べる子を育てることに取り組んできました。「自分学びの時間」という名前にして、1年間かけて、段階的に渡していくというものです。授業だけでなく、クラスづくり、行事や漢字練習なども渡していくことに挑戦しています。詳しい内容は、バックナンバーをご覧ください。今回は研究発表会のふり返りに重心を置きます。
一斉一律の授業スタイルを減らすということは、他の発表者の皆様と同じでした。14人の小中の先生がそれぞれのアプローチで、テーマに迫っていました。
研究発表の形
まず4つのグループがプレゼンをします。そのプレゼンのあと、どのグループの発表を聞きたいか、参加してくれた先生に選んでもらい、ブースにきてもらう形式にしました。ただ受け身で座って聞くだけではなく、自分で選んでもらうことが大事だと思って、こういった形式をとりました。下の方にも書きますが、挑戦したことはよかったが、時間配分や場の設定を失敗しました。
研究発表や研修の在り方、既存のものをどんどん捨てて新しいやり方を試していきたいです。
研究発表の成果
成果をまずは書いてみます。
新しい研究発表の形(ブース型)を試すことができた
ブース型のいいところは、自分で選んで聞きに行くところ。近い距離で話ができることです。この形にしたことはよかったと思います。
一斉授業からの転換の必要性と具体的な実践例をお届けできた
それぞれの先生の迫り方があることをお示してきたと思います。全部理解してもらうことは難しいですが、様々な先生が「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」を目指して取り組んでいることが伝わったと思います。
何人かの心には確実に届いた
熱心に質問してくれた先生がたくさんいました。
研究発表が終わった後や次に日に個人的にメッセージをいくつかいただきました。そのうちの一つを紹介します。
研究発表の課題
新しいことにチャレンジする難しさ
「エンチャント先生だけがこの取り組みをしているんですか?」
「学校や学年の先生にはどう説明しているんですか?」
この質問を何度かいただきました。先進的な取り組みを発表すると必ずくる質問です。どんなに素晴らしくおもしろそうな実践も、現場でやろうとすると大きなハードルがあります。若い先生にとっては、学年の先輩たちに理解してもらわないといけないですし、そろえなくてはいけないところもどうしてもある…。これが学校の在り方の大きな課題だと思います。自分で考えて正しい!やってみたい!と思ったことができないんです。「足並バイアス」です。これを乗り越えるにはハードルが高すぎて一歩踏み出すことをあきらめてしまう先生がたくさんいると思います。先生方は得意なこと、今興味があることが違うのが当たり前なのに。
私の場合は、学年主任「こんなことやりたいんだけど、もしよかったらやってみてね。」とします。強要しません。違うやり方がよかったらそっちでやってどうだったか教えてほしいですし。「そこまでそろえない」方針です。
先生方がチャレンジしやすいように、学年主任は言い出しやすいような関係づくりや一歩踏み出そうとする人たちを応援するような学年経営をしたいです。
研究発表当日の時間配分と場の設定
結構失敗しました。時間に余裕がなかったことで、聞きたい発表を聞きに行くことができなかった方が多かったようです。これは、本当に申し訳なく反省です。あとは会場が狭かったことも一つ反省です。内容には自信があっただけにもったいないです。悔しいので、次年度の本発表は絶対よりよくしたい。
・時間に余裕をもたせること
・行きたいところに行きやすいようにすること
・聞きたいことが聞きやすいようにすること
・話を聞いているだけの時間をもっと減らすこと
以上のようなことを踏まえて、次のように提案したい。
研究部員が14人いる設定で
一人A4一枚に自分の研究のアピールポイントをまとめ、事前に読んでもらう。
一人30秒のCMを流す
行きたいブースに行って話を聞く
研究は10分くらいの動画にして、繰り返し流しておく。
発表者は、来てくれた人と話をする
すべてを分かってもらうことは難しいです。それぞれの先生にスイッチが入ったり、自校に帰って実践につながったりすることが大事だと思いました。
盛り上げようという想いが裏目に
研究発表に関わった運営側と、聞きに来た先生方の温度差が生まれていたように思います。いわゆる内輪ノリですね。反省!穴があったら入りたい!
自分自身の研究内容に関わる課題
私の発表に対してアドバイスをいくつかいただきました。これが一番大事ですし、書いたらキリがないので箇条書きにします。
自由進度学習がタスクこなし型になること
その結果、学びが深まりにくい
見取り、評価
業者テストの扱い
次につながる意味のあるふり返り
おわりに
自治体レベルの公の会で、管理職を含む各学校3名は参加する会で、一斉授業からの転換の必要性と実践例を14人の先生と一緒に提案することはとても価値があったと思います。これからもっとじわじわ広まっていくはずだ!まだ道半ばなので、次年度の本発表に向けて頑張る。