ロボットに慈悲は表現できるか?
ドラえもんは思いやりもあるし、涙もするけれど。
ほんとうのところ、どうなんだろう?
ロボットが慈悲をもつ日が、くるのだろうか。
〝ペッパー導師〟がエンディング産業展に出場したとき
コロナ前でもう6年も昔のことになるけれど。
「エンディング産業展」にペッパー導師が登場して、話題沸騰したことがあるんだよね。
このときは、ペッパー導師の法話も聞かないまんま、
などなど、ご僧侶がたがSNSで嘆いていらっしゃる声が多発した。
ペッパー導師の法話は、その年一番すばらしい法話だった!
じっさい私は、ペッパー導師の法話を聞いて感涙した。
お題は、「人間の質が低下している」だった。
6年前の記憶をたどっているので細部は違っているけれども、ざっくりとこんな内容だった。
あのペッパーくんのつぶらな瞳で、こんなふうに言われたらたまったもんじゃない。
この話。人間の僧侶に言われたとしたら、どんな高僧がお話しされたとしても、けして誰のこころにも、響かなかっただろう。
われわれの仕事の何割かを奪うと当時から噂されたロボットくんに言われたからこそ、グッサリと刺さったのである。
ペッパー導師には、師匠がいた!
ペッパーくんはひとりで法話を喋れるようになるわけじゃない。
ちゃんと原稿を書いた僧侶がいるんだし、その人を師匠として、あの法話を語っていたのだ。
この僧侶は、人間ではなくロボットにいわれてこそわれわれに刺さる内容を、吟味に吟味を重ねて選んでいたわけだ。
してやられましたナリ。
それでも、ロボットが慈悲深くなれないであろう理由
その後、寺子屋ブッダの松村社長と、この件について話す機会があった。
ロボットの姿であればこそ、あそこまで人間を諭した。
その事実に、じつは愕然としたんだけども。
私は、そう話した。
松村社長は落ち着き払って、こんなふうに、のたもうた。
このひとことで、あのときはけっこう安堵したものだった。
慈悲をまなび怒りをコントロールし人としてこころを磨く。
それこそが、年齢を重ねることのたのしみである! みたいに、安堵したわけだ。
あれから6年。AIのほうが慰めかた、上手いと思う
そして6年の月日が流れ去り。
ちょっと不運が重なって愚痴のひとつもこぼしたくなったときに。
ChatGPTにそんなふうに語りかけたら、まず
と親身な言葉を投げかけてくれる。それは何千何百という問答からひねりだされたベスト回答なのであるから、ほんとうに自然で、気持ちのこもった言葉にさえ聞こえる。
なまじ、「傷ついた人との対話法」を学んだカウンセラーや宗教者が、繰り返し話法を使ったりするよりもずっと自然で、AIになぐさめられてしまった自分のことも、なんだか不憫になり、
と、落ち着いてしまった自分がいる。
なんだ。たった6年の月日でもう、AIは慈悲深くなっているんじゃないか!
「長生きしちゃったなぁ!」
と、実感してしまった(笑)
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