耳コピの難易度が約半分になる1つのコツ
わたしは週に1回程度、趣味で耳コピしたゲーム音楽を作って公開しています。
Twitterでもよく感想をいただけ、時々ではありますが
「耳コピできるのすごい!」
などとお褒めの言葉をいただきます。(すごく嬉しい、テレテレ)
ですが耳コピの作業にはコツがあり、実はこれを意識するだけでも難易度がぐっと下がるんです。
もちろん音楽理論なんかは学べば学ぶほど楽になりますが、腰を据えて学ばずとも、鍵盤を見たことあるくらいの知識でも実践できる方法を経験から見つけているので、今回はそれを紹介したいと思います。
わたしも音楽理論は現在進行形で勉強中ですし、ほとんど知識のない時から実践できていたことなのでご安心を!
探す音を可能な限り削る
初めに結論から言ってしまうと、探す音を削ることに尽きます!
例えばドから次のドの音まで鍵盤の数を数えてみると13個あります。オクターブを抜くと12個です。原曲を聞いて、この12個の音から1つ1つ音を探していく作業はかなりの根気がいることでしょう。。。
それだとおそらく何時間かけても音取りは終わりません。
なので、わたしはいつも譜面の一部分を思い浮かべながら耳コピします。
ト音記号やヘ音記号などの横についている・・・フラットbとシャープ#です!
ご存知かと思いますが、フラットは「半音下げる」、シャープは「半音上げる」ことを意味する記号。
譜面上で、この並びが一定なのをご存知でしょうか。
フラットb は「シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファ」
シャープ# は「ファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ」
どちらかの順番覚えれば、逆になっているだけなので覚えやすいです。
つまり、曲の中で「ド#」のみが存在したり、「レb」のみが存在するということはありえません。「ド#」がある時は必ず前にある「ファ#」もセットと思ってください。
(厳密に言えば例外はあります)
・・・さて、これだけ分かればもう耳コピできたも同然です。
いくつシャープ or フラットがあるか想像する
多くの曲はこのシャープ、フラットが曲中変わらず進行すると考えてください。
なので、このシャープ、フラットがいくつの曲か知るだけでも気にする鍵盤の数が一気に減ります。
例えばシャープが「ファ」と「ド」の曲の場合、メロディやベース音は
「ド#、レ、ミ、ファ#、ソ、ラ、シ」の7つに絞られます。
元の12音から見ると、約半分近く絞る事ができました。
この音が絞られた状態がとても大事で、コード進行の知識があればこの音が含まれるコード進行がベースとなるはずです。
そう考えると、半分以下にすら絞られるのではないでしょうか。
(上記の場合、例えばC#コードはド#、ファ、ラ#だから除外、Aコードはラ、ド#、ミだからありえるなど)
また、ポップミュージックなどで主旋律に合わせた綺麗なハモリを披露する歌手を見た事があると思います。
彼ら彼女らはほとんど、この絞られた音から奏でられるメロディから見て2つ上か下の音を歌っているにすぎません。3つの時もあるけどだいたい2つ。
例えば、上の通り「ファ」と「ド」のシャープの音楽で、メロディラインが「レーミーファ#ーソー」だったとすると、2つ上の音「ファ#ーソーラーシー」を組み合わせると綺麗にハモる事ができるのではないでしょうか。
転調すると話は変わってくる
とはいえ、実は固執しすぎてもいけなかったりします。よく聞く転調というものをすると、使う音がガラリと変わります。
そして残念なことに、ほとんどの場合、曲中で小さな転調を含めると数10回から数100回も転調をしているのです。
そのため、1曲を通して7音だけで終わることはほぼありません。
「話が違うじゃないか!」
と怒られるかもしれませんが、安心してください。違う音が出てくる回数は少ないと考えて構いません。まずは絞った7つの音から音を探し、どうしても違う音だと感じた場合のみ周囲を探すやり方で大丈夫です。
固執しすぎないということだけ注意していただければ問題ありません。
具体的にどうするか
実際に私がやった手順を紹介します。
前回の記事に書いた『月華彼岸花』を耳コピした時を例にしてみます。
歌の主旋律から音を取りましたが、初め3音くらいは頑張って耳コピする必要があります。ここだけ頑張る!
すると初めの3音は
「シbーラーシb」
でした。
シbの音はラ#の可能性もありますが、ここで例の順番。
フラットb は「シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファ」
シャープ# は「ファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ」
いったんはシャープやフラットは多くて3つくらいと高を括ってください。
順番を見るとシャープのラ#は後半なので可能性は低く、さらに他に読み取った音の中では「ラ」の音があることが分かっているのでシャープの線はなくなります。
これはフラットのシbが含まれる曲だと分かります。
そして「ラ」の音が取れたということは、フラットは3つ以上ないだろうと予想できます。
中間にある「ミ」の音だけまだ分かりませんが、ここでの候補の音は
「ド、レ、ミ、ミb、ファ、ソ、ラ、シb」
まで絞れました。
ここまで絞れてくると、次の音は前の音より高いか低いかだけ気にしながら進めれば、ほとんど音が取れてきます。
4音目(歌詞で言うと「華はそうぞく」の部分)は前の音より少し高いからドかレくらい。実際に弾いてみるとレの音でした。
5音目(歌詞で言うと「華はそうぞく」の部分)は前の音より少し低いからドかシbくらい。実際に引いてみるとシbの音でした。
・・・ということを繰り返します。ここまでくれば、あとは結構楽です。
コーラスも主旋律より下で鳴っているので、2つ下の音を歌えば良さそうです。この後少し音をとると「ミb」が出てきたので、今回の楽曲の候補は
「ド、レ、ミb、ファ、ソ、ラ、シb」
の7つ。そして、主旋律が
「シbーラーシbーレーシbーラーシbー」
なので、コーラスは2つ下の音
「ソーファーソーシbーソーファーソー」
となります。
ベースの音についてはコード進行を読み解く必要があります。こちらはある程度の経験が必要になりますが、音からかなり絞られています。
今回はGmからのスタートでした。
まとめ
以下の順番を覚えて、音を7つに削りましょう。
フラットb は「シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファ」
シャープ# は「ファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ」
これで耳コピが簡単になります!是非マスターしてください!
ただし、大多数の曲に適応できますが、全ての曲に当てはまるわけではありません。
最近耳コピしたFF14の曲で言えばモグル・モグのテーマは4小節ごとに大きな転調を繰り返す部分があったりと、たいへん苦労した記憶があります。
あくまで臨機応変に音を探すことは大前提ですが、耳コピのきっかけとしては強力な武器ですので、是非音取りを覚えたい方は参考にしてください。
ではではまたねー!