見出し画像

アイドルオタクが「洋服の地産地消」を始めたら人生が変わった

お金の使い道が世の中を決める

今日は、「自分の使ったお金が、次何に使われるのか」ということを、もう少し意識しても良いのではないか、という話をします。

中国製は質が悪い?

スーパーでお肉を買うとき、「国産」なのか「オーストラリア産」なのかぐらいは、気にしますよね。

国産の方が、なんか上品な味がする。ちょっと高い。
佐賀の牛肉というだけでちょっと身構える。
オーストラリア産のほうが肉肉しい。安い。とか。

では、洋服を買う時は?

最近は、SHEINをはじめ中国製の服が多いですし、ユニクロなどファストファッションの服は、ほとんどが東南アジアで作られているため、「国産の服なんて持っていない」という人も増えている気がします。

僕が子供の頃は、「中国製なんて、すぐ壊れるし」と、産地を見て質を判断しなければならなかったです。しかし最近は、中国製品の質も上がってきているため、服の産地なんて気にしなくても良くなってきています。

ではそんな今、「産地なんてまったく考えなくていい」のか
→僕はそうではないと考えるのです。

そう思うに至ったエピソードから、お話しします。

エピソード1:アイドルオタクの苦悩

意味不明な大見出しに自分でもびっくりですが、この話をする上でかかせないエピソードです。

僕は13才の頃にAKB48を見たときから14年間、アイドルオタクです。
(正確には、3ヶ月前ぐらいから元アイドルオタクです)

2018/5/22 BiSH@横浜アリーナ

高校時代は乃木坂、大学時代にはBiSHにハマり、社会人になってからは地下アイドルにも通うようになりました。

1番通ってた時は毎ライブでチェキ(¥1,500)を最低5枚
それを週2-3で通い続けていたため、まあ結構なオタクでした。

この地下アイドルオタクの時期に「お金の使い先」について、すごく考えさせられました。
(そもそもアイドルに大金使うな!とかはクリティカルだからやめて)

アイドルなんて顔や名前が浮かぶだけでも数百人、実際にはもっと数え切れないぐらいいます。
そんな中で、自分が稼いだお金を「どのアイドルに使うか=誰を推すか」は、オタクにとって死活問題です。

お金には限りがあるため、気になるアイドル複数人に全ツッパすることはできない。
せっかくお金を使うなら、不祥事とか起こさず(ちゃんと隠してれば良い派ですが)、可愛くて歌もダンスも上昇志向があるアイドルを推して、お金を使いたくないですか?

アイドル本人もそうですが、アイドル運営もそう。
例えばライブ中暴力を振るうオタクを放置・容認している運営だったり、そもそもオタクを舐めているとしか思えないポストしかしない運営。

そんな運営に金が回るぐらいなら、推すのをやめた方がマシだと考えて、実際にそれで降りた(推すのをやめた)アイドルもいました。

このように、アイドルオタク時代の苦悩を通して、「自分のお金を何(誰)に使うのか」をよく考えるようになりました。

エピソード2:ドメブラは半永久機関

もう一つ考えさせられたエピソードが、タイトルにもある「服」です。

近年一般化してきている「ドメブラ」という言葉をご存知でしょうか。
「ドメスティックブランド」の略で、要は国産のファッションブランドを指します。

世界に誇る超有名どころでいうと、ヨウジヤマモト、ギャルソン、イッセイミヤケ、Sacai、AURALEE、など

最近のドメブラだと、シンプルとかテック系の服が多くて、超いい生地を使って作ってる、でも尖りすぎず、異性ウケがいい。
縫製も日本製でしっかりしていて、長持ちする。
何より日本人の体形に合っている。

そんな「ドメブラ」が最近急激に増えていて、インスタグラムのファッション界隈を沸かせているのです。

価格帯はシャツで大体2万~5万円ぐらい。
コートだと7万-20万円ぐらい。

まあ、オタクの感覚からすると、「高い」と思いました。
チェキ何枚撮れんねん。と。

ただ、社会人になって、ダサかったオタク人生から脱却してオサレボーイになるために、思い切って「ドメブラ」の服を買うことにしました。

初めて買ったのは、「stein」のショートコート。

確か当時¥75,000ぐらい

表参道のセレクトショップで試着した瞬間から、今まで買ってきた服とは明らかに違う。着心地、触り心地、シルエット、上品さ、生地の光沢感。
「MADE IN JAPAN」のクオリティに改めて感動しました。

まあでも、やっぱりちょっと高い。いや、だいぶ高い。。
そんな毎月何着も買えるほど、経済的ゆとりはない。

セレクトショップに行って、試着して感動して、値札を見て、「うーん。。ちょっと考えてきます」、と近くのカフェでコーヒーを飲みながら、
このコートが¥75,000もする理由をいろいろと考えて、自分を納得させるわけです

・希少な生地を使っている
材料費がかかっているのかな

・優秀なデザイナーがいる
・ハンドメイドで作っている
・店舗で上質な接客を受ける
人件費がかかっているのかな

そうやっていろいろと考えていると、あることに気づきました。
それは、服として既に最高なのに、この服は「日本産」なのです。

「自分の使ったお金が、自国を応援し、自分に返ってくる"半永久機関"が出来ている」ということ(?)です。

・日本製品にお金を使う
→製造、マーケティングなど企業活動に更にお金を使える
→もっとこのブランドが売れて、世界的なブランドに成長する
→日本の服が海外で売れるようになる
→日本の経済が良くなる
→自分の生活も豊かになる

という解釈もあれば、そううまくいかなくても、

・日本製品を買う事で、少なくとも「儲かるのは日本の会社」
→その会社の人が日本国内でお金を使ってくれたら日本経済が循環する
→自分の会社にお金が回ってくる
→自分の生活も豊かになる

これは、言い過ぎまでは言えないのではないでしょうか。

「実質タダやん!!」と、結局セレクトショップに戻って、
もう一回試着して、迷ってるふりをして、すぐ買いました。

家に帰って冷静になって「タダなわけない」と気づきましたが、それでも後悔はなかったです。

少なくとも海外製品を買うと、その外国企業がジャパニーズ大好きカンパニーとかじゃない限り、日本に還元されることはほぼなく、ただ貿易赤字を助長しているだけなんですよね。

この「半永久機関」理論で、自分の給料が1円増えるまでに自分が何億円日本に使えばいいか、僕にはわかりません。

ただ、人勧万事チリツモです。
この考えが広く浸透して、日本にお金を落とす人が増えれば、それだけ自分たちの暮らしが豊かになる。
自分だけ関係ないわけがない。

もう少しこういった意識って、持ってもいいんじゃないかと思うんですよね。あまりにも皆、考えてないように見える。

オリンピックの時だけ日本人応援しないで、普段から応援した方がよくね!となったわけです。

普段の消費も気を付けるようになった

オタクやドメブラのエピソードから、お金の行き先について気にするようになった結果、
それ以外の消費もいろいろと考えるようになりました。

例えば、
・味は美味しいけど態度が悪いラーメン屋
余りにもひどいところは、お金を落とすことで一生接客が改善されないため、行かなくなりました。(たまに食べたくなるけど我慢)

・SHEIN
人種差別や強制労働的なうわさが絶えないため、もちろん利用してません。

・たたき売りしている、盗品か疑わしい桃
買う人がいるから盗みが発生するので買いません。

・メルカリの転売品
同様に買う人がいるから転売ヤーが生まれるので買いません。

ラーメン屋の件なんて、全く行かないのが極端なのは理解しています。
でも、行くにしても、お金がどう使われるかを理解して行くのか、何も考えずに行くのかでは、雲泥の差があると思います。

自分が望まない世界が、自分がお金を使うことで形作られていくのは避けたい。

桃7コ300円、、、

人生が変わった

この考え方が人生のベースとなったことで、
財布を開く瞬間に、
「自分が何にお金を払うのか、考える癖」がつきました。

それによって、お金を使う/使わないの判断が明確になりました
消費を無駄だと考えない(誰かを応援しているためのお金だ、と自分を納得させる)スキルも副次的に身につきました。

最近は、服を選ぶ際になるべく日本製の服を買うようになりましたし、
冷蔵庫が壊れても、日本メーカーの冷蔵庫を買いましたし、
(単に日本製が上質で好き、というのもありますが)、
アーティストも、なるべく日本人を応援するようにしています。

その方が自分に返ってくるパーセンテージが上がりそうだからです。

「これが正義だ」とか、「日本製のものがあるのに、買わないのは非国民だ」とか、
そういった考えは一切ありません
人それぞれの経済状況もあるし、信条もあるし、価値観もある。

資本主義の根幹は「自由競争」ですからね。
k-popのアイドルが可愛いのもわかるし、韓国料理は辛いし、マーラータンはおいしいし、僕もXperiaじゃなくてiPhone使ってるし。

でも結局、自分たちの多くは日本でこの先も生きていくし、
もし子どもを作れば日本人として生きてもらうことになる。

自分がお金の使い道が、自分にどのような影響があるのか」を考えたうえで、自分のお金を使っていきませんか。

という話でした。


あとがき

前回の「言葉は運動神経が悪い」の記事について。
初投稿にしては4500字くらい書いてしまったのですが、知人から「面白かった」の声や、初めてnoteで関わった方からのスキ!を複数いただき、とても嬉しかったです。
また「言葉は運動神経が悪い」の元動画のコヤマカズヒロさんにも読んでいただけて、大変光栄です。


結局、このnoteも4,000字ぐらいになってしまいました。
今回の話を友人にすると、「愛国心強すぎ」とよく言われます。

確かに愛国心は強いかもしれません。寿司も天ぷらも大好きだし、日本語は綺麗だと思うし、舐め腐った政治家は嫌いだし。

でも、いうてみんな結構日本好きじゃないですか?

オリンピックとかワールドカップとか、
外国人が日本に来て寿司を食べるYoutube動画のコメント欄とか見てると、
別にみんな日本大好きじゃん、とりわけ自分だけ好きなわけじゃないじゃんって思うんですよね。

その気持ちを、普段から行動に移しているだけかなって思います。

ただこの理論で行くと、
NISAでS&P500を買っていることとか、
自分が商社で働いて海外品を日本で売っていることとか、
そういう事にもツッコミができてしまうので、
「楽に生きられる考え方」ではないかなあ。。

その辺はまた別のnoteで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?