~環境編~ その① アスリートとベジタリアンは両立するのか

サッカー編は、4つの記事でお送りしました。
今回からは、また新しいテーマでお送りします。


小さい頃から、なんとな~くですが、「環境にやさしく」「地球を守ろう」といった言葉を色んなところから取り入れて育ってきたものの、特に気にすることもなく過ごしてきましたが、そんな自分が、この10ヶ月のアメリカ生活で起きた色んな原体験が重なって、今まで以上に「環境」に興味を持つようになりました。

ということで、今回からのテーマは、「環境」編になります!
この経験は、今振り返ってもとても面白く、貴重だったな、と個人的に感じています。



1.サッカー×ベジタリアンは成立するのか?

突然ですが、チームで仲良しだった、ドイツ出身の女の子は、ベジタリアン(お肉を食べない人)でした。これを知ったのは、チームの練習が始動して2週間後、練習試合の前日練習の後、試合後に支給されるMealと呼ばれる捕食を選んでいたときのことでした。

「ベジタリアン用のメニューって無いの?」
「○○と○○はベジタリアンだから、肉が入った料理はだめだよ」
などと、近くで話しているのを耳にしました。


~私の脳内会議~
私A「え、サッカー選手なのに、ベジタリアンなの?」
私B「そんなんで、走れるの?」
私C「運動/健康に必要不可欠なタンパク質=チキンじゃないの?」


私はその会話を無視できずにいられませんでした。
今まで育ってきた環境では、強くなるために、食事管理は欠かせないものとして教わってきており、とくに、必須で食べるものとしては、お米/お肉/野菜/牛乳(主に、5大栄養素を補う糖質/タンパク質/脂質/ビタミン/ミネラル)でした。
母は、サッカーを始めた小さい頃から私含めた子供達のサポートを食事面からもしっかりしてくれていて、特に試合の前後には豚の生姜やきや鶏の唐揚げなど、お肉からのタンパク質摂取をしっかり用意してくれていました(感謝。涙。)

サッカーチームのコーチは、合宿で、
「練習して疲れた体の中では、筋肉が壊れた状態になっている。だから、食事でお肉に含まれるタンパク質をしっかり取ることで、その壊れた筋肉の修復と、さらなる成長回復をさせることができる。」と教えてくれたのを覚えています。

とにかく、私の中では、


「お肉=タンパク質=サッカーうまくなるために必要」

という方程式(常識?)が自然と出来上がっていました。
しかし、アメリカに行って出会ったチームメイトがこれを180度ひっくり返します。チーム内でも特に仲の良かった、そのベジタリアンの子は、練習での走りトレーニングで、早い方のチームに入っていたり(当時、走りが速いグループ/遅いグループに分けて走っていました)、90分の試合もフル出場しています。

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また、ベジタリアンであるもう一人のチームメイトの子は、お肉を食べないのにガタイがしっかりしていて、当たり負けしない強靭なフィジカルを持っています。
さらに、将来的にベジタリアンになりたいと言うチームメイトもいました。

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私がこれまで考えてきた、「お肉=タンパク質=サッカーうまくなるために必要」は、必ずしも正しいわけではなく、「ベジタリアン=サッカー」は成立するという事実を目の当たりにしました。


2.“普通”じゃないから、興味を持った。

ベジタリアンは、私にとっては
・お肉を食べない人
・タンパク質を全く取らない人
・スポーツとは無縁の世界の人
というようなイメージを持つものでした。つまり、“普通”ではないと思っていました。だから、それを実践している/しようとしているチームメイトに興味を持った私は、“何か目的があるはずだ”と考えました。

私は、“将来的にベジタリアンになりたい”と考えている、ポルトガル出身のチームメイトに、理由を聞いてみました。すると

「Because it’s good for the environment, right?」
➔だって、環境にいいもの。そうでしょ?

と、即答が返ってきました。



私は、この場面をはっきり覚えています。

「・・・・・・。」

と、言葉につまってしまったからです。
それは、言いたいことが英語に訳せなかったからではありません。


「地球や環境を守る」ことと「ベジタリアンになる」ことが結びつかず、
思考停止してしまった自分

と、

はっきりと即答できるほどの意思をもって日々生きている彼女に、
圧倒されてしまった自分

がいたからでした。
そして、罪悪感に似たような感覚をもちました。
自分の幸せや、単なる好き嫌いを基準にすることでしか生きてこなかった私に対してでした。

「周りのため(今回は地球や環境といった、大規模なものですが)に」を基準にして思考できる彼女は、同じ空間(目の前)にいるのに、ぜんぜん違う世界を見ているとさえ感じてしまった。

自分で書いていても大げさだと感じますが、当時の状況や心情を表すのには上記の表現が最も近いと思います。彼女に感動し、同時に尊敬しました。



3.人は、環境に影響を受ける

自分に感動や影響を与えてくれる人に出会えると、私はとても幸せに感じます。そしてその感動や影響は、人それぞれが持つ感性と結びついていると私は考えます。

人の感性は様々で、今回で言えば、私は多分「食」という分野にもともと感性が強い傾向にあるのだと考えます。そして、その感性が入口となって、自分自身を見直すきっかけ(場面)に遭遇することになりました。


”ピッチに入る前に勝負はついている”
という言葉を聞いたことがあります。この言葉を私は、
”練習、食事、睡眠など、日々の習慣のどの一瞬も、試合のパフォーマンスや結果に繋がっている”と解釈しており、食事は良いパフォーマンスや結果に結びつく重要な要素であると考えてきました。また、良い体作りの為にもお肉を食べることは最重要項目です。だから、お肉を口にしないベジタリアンと、スポーツを極めるアスリートは絶対に両立しないと考えていました。

しかし、

もしかしたら、私は間違っているかも知れない。
そして、私はまだまだ知らないことが多すぎる。

こう思うようになったのは、彼女たちに出会って、「食」を切り口にした、スポーツとの関連性や、環境に関することなど、知りたいことがぽんぽんと頭に浮かんできたからです。


さらに、仲良しのドイツ出身のチームメイト(ベジタリアン)に、ある日、ベジタリアンバーガーを作ってもらいました。
その写真がこちら。

画像1


感想は、素直に言って、おいしかった。
パティはお肉ではなく、植物で出来ていて、肉々しさではなく、香ばしさがありました。また、一つでしっかり腹持ちする量で、味も普通のバーガーと大差はありません。むしろ、油っぽさが少なくて、食べやすかったです。


そして、“お肉を食べない”という選択が、審美目的ではなく(もちろん、人それぞれでこれも大切な理由になりますが)、環境や動物を守り、自分自身が健康に生きることにも繋がる、ということを意識したとき、
“食べること”に対して新たな“幸せ”や“充実感“を感じました。具体的には


“食べること”は避けられないけれど、“食べるものを選択”することで
避けることができる被害があるんだ
私、いま、地球に良いことしているんだな


などと考えていました。

これから先、菜食主義者になりたいか、と言われたら、正直わかりません。この記事は、私が、アメリカで経験したことをもとに感じ・考えたことをまとめたいという意思のもとのみで投稿しているので、今の所は、知らないことが多すぎる為に、自分が“食”を通してどうしたいのか全然わかりません。

だから、まずは、「知る」ことが必要なんじゃないかと思いました。
その中で見つけた、中田敦彦のYoutube大学「ヴィーガン編」や、モデルのRolaの活動である「Studio330」、また、Fact fullnessという本やヴィーガンに関する本が、その第一歩になりました。

“食”とか“環境”といった、テーマが壮大過ぎて、どうやって動いていけば良いのかわかりませんが、とりあえず、アンテナを立てつつ色んな事を知っていきたいな、と今は感じています。


それでは。

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