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素晴らしい文章を読んで、嫉妬する時

 普段はLINEを連絡でしか使っていない。というか今まで連絡ツール以外でのLINEの使い方を知らなかったのだが、なんか色々できるらしい。ショート動画とか見れるみたいだ。連絡ツールの範疇超えてんじゃん。

 まぁそれはいいとして、LINEはトークの上の方にニュースが掲載されている。いつもは目に入らないし見ることもないが、たまに気になる記事が掲載されていることがある。それが今回は、『米歌手のビリー・アイリッシュが10代で有名人になったことで成長が止まった』というニュースだった。

 少し気になる記事だったので読むことした。(ビリー・アイリッシュさんはあまり知らないが、世界的ポップスターということは知っている)結局、どういうことかというと、ビリーは14歳で曲がヒットして有名になったことで、そこから時が止まってしまったとのことだ。

 曰く「時が止まっているから、子供のように振る舞ってしまう。ただ、他のポップスターも同じで、私と同じように16歳みたいな振る舞いをしている人もいる。それはちゃんと成長できていないから。大人になりきれていないから。」

 「1人の人間なんだと感じる日は戻ってこなくて、どこへ行っても『ビリー・アイリッシュだ!』となってしまう。それが悲しい。名声は身を滅ぼす。」だそうだ。

 これを聞いて、ダニエル・ラドグリフの言葉を思い出した。ハリー・ポッターの役を演じていた人だ。歴史的超大作なだけあってどこへ行ってもダニエルは「ハリー・ポッターだ!」と言われていたらしい。

 自分を自分として見てもらえないというのは確かに辛い。どれだけ世界的な有名人であっても、自分というマイノリティがあるわけで、世間が見る「自分」と本当の自分は必ずしも同じとは限らない。

 もし違うとしたら、世間が賛美を送る「自分」はまるで他人のように感じて、本当の自分は全く承認されていないように思えるだろう。

 この現象をなくすには、ポップスターを見ている我々が、「この人も1人の人間なんだな」と自覚を持つことが重要だと思う。まぁそれが全員できたら、苦労はしないんだけどね。この名声の一人歩きは、他人を巻き込んだ一種の職業病のように感じた。

 職業病といえば、お笑い芸人の話を思い出すな。最近、俺は千原ジュニア、小籔千豊、フットボールアワー(後藤岩尾)の3組が出演する「ざっくりYoutube」というチャンネルをよく見ている。ロケバスの中とか、ロケの最中にべらべら駄弁っているのを見るのが好きだ。

 なんの動画かは忘れたが、4人はこんなことを言っていた。「子どもの頃のように何も考えず笑いたい。」これも一種の職業病だなと思う話だった。

 どれだけ面白いことがあっても、頭のどこがで「こうやって被せにいこうかな」と考えたり、腹を抱えるほど面白いことを誰かが言っても嫉妬してしまったり。「お笑い芸人は本当の意味での笑いを永久に奪われる。」とも言っていた。

 俺はまだ文章を書くことが好きで、読むことも好きだ。他の作家であったりnoteで素晴らしい文章を読んでも「あーあ、すげぇや!」としか思わない。もしかすると、いつかこの気持ちが奪われるのかと思うとすこし恐ろしい。やっぱり、名声は人を滅ぼすのかもしれないな。

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