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『喫茶とまり木で待ち合わせ』発売しました。

 2年前に単行本で刊行された『喫茶とまり木で待ち合わせ』が、先日実業之日本社GROWから文庫になって発売されました。

 表紙は単行本と同じく、イラストを西淑さん、デザインを西村弘美さんが担当してくださいました。
 珈琲とプリンが味わい深い、レトロで可愛い表紙に仕上がりました。ブルーとピンクの枠も西さんが描いてくださったそうです。かわいい~!
 実は単行本では作中のメニューでプリンは出てきません。しかしながらこの表紙イラストが送られて来たとき、こりゃプリンを出さねばならんと思い、慌てて手元にあったゲラを書き換えました。表紙のメニューがどこで出てくるのかぜひ探していただきたいです。

 ストーリーの改変はありませんが、細かい部分をちょこちょこと手直ししております。セリフとかも変えて、より違和感なく読めるようになったかなと思います。
 あと、1話の「家族写真」にほんのちょっとだけですが加筆しています。
 単行本にて、1話についてしばしば私の意図と異なる内容の感想をいただくことがありました。もちろん作者の思惑と違う考えを読者さんが抱くのは悪いことではなく、むしろ読書の楽しみのひとつであり、小説の面白味でもあると思っています。私自身、作者として、読者さんのそういう思いがけない解釈を楽しみにしていたります。
 ただ「家族写真」については「個人の幸福や家族の形に正解はなく、その正しさは他者に決められるものでも、他者が理解できるものでもない。一般的な在り様が正しいとも限らない」というのを書けたらなと思っていました。そこのところ、物語で表したかったこととまるで反対の意見が書かれることがあったので、さすがにもうちょい伝えたいこと伝わるように書かなきゃなと改稿してみました。
 これ以降はもう、どんな感想を貰っても読者さんの自由と思うことにしますし、それが「なんか違うなあ」と思ってもただの私の力不足です。
 こんなこと書きましたが、感想なんてもんは、作品や作家を貶めるものでなければなんだって自由ですからね。読者の皆様には気にせず思ったことを発信していただきたいです。作品に触れて広めてもらえるだけで嬉しいので。

 内容以外にはあとがきを書き下ろしました。私はあとがきを書くのがあんまり好きじゃないのですが、今回ゲラの作業中、目次のページに「あとがき」の項目を発見!!嫌な予感がしていたら、案の定編集さんに書けと言われました。
 そんな流れで書いたものですが、中身はきちんと真面目に書いておりますので、読んでもらえると嬉しいです。

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