幸せはなるものではなく“感じ取る”もの
「幸せ」と言うと、「幸せになって欲しい」とか「幸せになりたい」といった使い方をするのが一般的でしょう。私たちが普段から何気なく使っている言葉ですが、この「幸せに“なる”」という言葉の裏には、「幸せになるためには幾つかの条件を満たす必要がある」という意味が含まれています。
では一体、どんな条件が揃えば、私たちは幸せになれるのでしょうか?
「会社で働くビジネスパーソンとしての幸せ」に話題を絞って考えると、すぐに出てくるのは、「給料が今の倍くらいなれば」とか「やりたい仕事をやらせてもらえたら」とか、「上司がもっと優しい人だったら」といった事柄が挙がるのではないでしょうか。
では、そういった条件は、いつになったら叶うのでしょうか?
・・・いつかわかりませんね。少なくとも今日や今週には叶いそうもありません。
そうなると、「今」は「幸せじゃない」状態のまま仕事をがんばらなければならなくなります。
そして、いつ叶うかわからない「幸せ」という目的地に向かって、毎日一瞬一瞬を「幸せじゃない」まま仕事をしなければならない。こんな状態がずっと続いたら、私たちはやがて疲弊してしまいます。
今の多くのビジネスパーソンがこのような状態なのかもしれません。
そこで私たちは「幸せは“なる”ものではなく“感じ取る”もの」というコンセプトを打ち出しました。
「幸せに“なる”」には時間がかかりますが、「幸せを“感じ取る”」ことは、考え方や視点を少し変えるだけで、今すぐにもできるからです。
例えば、あなたが、「上司がもっと優しい人だったらいいのに(幸せになれるのに…)」と考えていたとします。つまり、「今は幸せじゃない」状態ですね。
ここで次のように視点を変えたらどうでしょうか?
「今の上司は非常に厳しくて怖い人だけど、この上司だからこそ感謝できることがあるとしたら、それは何だろうか?」
このような問いを自分に立てると、次のような考えが浮かぶ可能性があるのではないでしょうか?
「この上司に認められるような仕事の仕方をすれば、ビジネスパーソンとして相当鍛えられるから、スキルも考え方も最速でレベルアップできるかもしれない!」
そう考えると、幸せじゃないどころか、「自分を成長させる最高の機会を与えられて、誰よりも幸せ!」と考えることも可能ですよね。条件は何も変わっていませんが、一瞬で“感じ方”が180度変わります。
またあなたが例えば、「本当は商品開発をやりたいのに、好きでもない営業の仕事をやらされている(から幸せじゃない)」と思っていたとします。
ここでも次のように視点を変える問いを投げてみます。
「今は好きでもない営業の仕事をしているけれども、この仕事をしているからこそ得られることがあるとしたら、それは何だろうか?」
そう考えると、次のような考えが浮かぶかもしれません。
「今直接お客さんの生の声を聴いていることが、将来、商品開発に携わる時に活かされるかもしれない!」
そんなふうに考えることができれば、ネガティブに思っていた仕事に対する意味づけが、一瞬でポジティブなものへと変わりますね。
つまり、現在置かれている環境がどうであれ、人は考え方や視点を少し変えるだけで、「幸せを“感じ取る”」ことは可能だということです。
「幸せは“なる”もの」と考えていると、与えられた環境次第ということになり、とても受動的なものになってしまいますが、このように「幸せは“感じ取る”もの」と捉え直すと、いつでも主体的に幸せな状態に自分をチューニングすることができるのです。
従業員の皆様が、自らそのようなマインドに変えられるようにすることこそが、今後の人材育成では極めて大切なことなのです。
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