エニアグラムを通して(タイプ3国家)アメリカをもう少しだけ説明します
『エニアグラムを通してトランプ大統領を見る』での説明が不十分かなと思ったので、もう少し説明します。
"エニア使い"には良く知られた話ですが、アメリカという国はタイプ3の国です。
たぶん、これが知られるようになったきっかけはリソの本だと思われます。
ヒーロー、ナンバーワン、成功、などなどなどなど、「俺こそヒーローだ!」「私って輝いてるでしょう。」の国です。
自分自身も輝いている必要があるし、自分のまわりの家族も、友人も、自分たちが住んでいる国も輝いている必要があります。
でも、これは見方を変えれば、「輝いていないことを受け入れられない」ということです。
何の文章で読んだか覚えていないのですが、タイプ3というのは、過去に付き合った人を悪く言うことはいないそうです。なぜなら、どうしようもない人と付き合っていたなんて言いたくは無いからだそうで、付き合った人は、皆、素敵な人でなくてはならないからだそうです。
過去現在未来、常に自分は輝いている必要がある人なんです。これはもう絶対にです。
『「もう大統領いらねえや!」ダニエル・カールの3分でわかるアメリカ大統領選』
からの引用です。
レーガンの一番良かったところは、ポジティブシンキングだったことなんですね。いろいろあんだけど、アメリカはボロボロじゃない、アメリカは偉大な国だ、力もポテンシャルもあるんだから一緒に活かしていこうぜ、って国民を励ましながら、落ち込んだ気分を引き揚げてくれたんだな。アメリカ人としてのプライドを蘇らせてくれた。これが共和党のトップの理想的な姿だと思って、オラはずっと共和党を応援してたんです。
その後、パパブッシュになった。彼も明るいし、尊敬できるタイプだった。そしてビル・クリントン。最初は嫌だなあと思ってたんだけれども、彼も結構国民を盛り上げるのが上手だった。だから彼の任期が終わる頃にはそんなに悪くなかったなと思えるようになった。次のブッシュは……イラク戦争とかあったり、政策的にも反対するところはいろいろありましたけど、彼も「アメリカは捨てたもんじゃない」っていう前向きな姿勢だったから支持できたんです。
で、今のオバマが大統領になった時、これも「どうかなあ」って思ったんですけれども、この人も演説がうまかった。だから、レーガン以来、共和党も民主党も関係なくずっとポジティブシンキングの大統領が続いていたことが共通点だったと思うんです。
ただねえ……今度の選挙はやばい。トランプ氏はネガティブなことばっかり言う。「アメリカは外国とか他の宗教のせいでこんなザマになってんだ。政治家のお偉いさんのせいでおかしくなってんだ。エスタブリッシュメントが腐っているんだ」って。そうするとだんだん気分が暗くなってくるし、アメリカ人同士でも疑心暗鬼になっちまった気がするんですよ。
それに対してクリントン氏が「そうでもないよ」とか前向きなことを言おうとしてるんだけれども、あんまりにもトランプ氏に勢いがあるから何かネガティブになっちまう。だんだん変な選挙になってきているんですよね。これじゃどっちが勝っても喜ばねえよな。これが一番心配なんですよね。究極の選択だからな。
トランプ氏が勝った後で、マイケル・ムーアはこう言っています。
『マイケル・ムーアが投稿した「選挙に負けた今やるべき5つのこと」、16万人以上がシェア』から一部引用。
今朝目覚めて「自分は最低の国に住んでいる」と思ったのであれば、それは間違いだ。過半数のアメリカ人は、ヒラリーの方が良かったんだ。トランプじゃない。
「ネガティブ」「最低の国」、これは輝きが不可欠なアメリカにとっては、受け入れられないものです。
ですからマイケル・ムーアは、「自分は最低の国に住んでいる」に対し、「それは間違いだ。」と否定しています。ネガティブな言葉を避けながら人々を鼓舞しています。
私は、以前にこう書きました。
私の国を代表するする人物が、ろくでもない人間であるとは、決して言いたくは無いんですよ。言えないんですよ。なぜなら、アメリカの輝きが無くなったと認めるようなものだから、そんなこと認められるはずがないでしょう。
私は、この結果として、今でも、新しい大統領の支持でそのうち固まると予想しています。今回はかなり難しそうですけれども・・・。
ですが、ダニエルさんの言葉を追えば分かるように、アメリカ人は、なんやかんやで歴代の大統領を肯定しているのです。無理にでもポジティブにとらえようとしています。
トランプ氏が、手っ取り早くアメリカをまとめようと思ったなら、国民が自国がナンバーワンだと実感できるような行動を起こすでしょう。
とにかく、わかりやすい何かをしたいはずなんですよ。国民もわかりやすくまとまりたいと思っているはずです。なぜなら、「私たちの国は分断している最低の国です。」とは言いたくはないから。
今、トランプ氏の耳元で誰かがアイディアをささやいているかも知れませんね。