障害者雇用で欠かせない!配慮事項の伝え方
皆さん、こんにちは!エンカレッジの高橋です。
今回は『障害者雇用で働く場合に欠かせない、配慮事項の伝え方』についてお伝えしていきたいと思います。
この記事を読んだ後に、就活での「配慮事項の伝え方をわかっていること」をゴールとしています🎯
そのためにお伝えする内容は以下の3点になります👌
1)配慮事項を伝える理由
2)配慮事項の作成方法
3)配慮事項を伝えるコツ
それでは、さっそく一つずついきましょう!
1)配慮事項を伝える理由
障害のある学生の皆さんの中には、もしかすると「配慮事項を伝えたら選考で不利になるのでは?」といった不安を覚える方も多いのではないでしょうか?🤔
ですが、それは実は間違っています。
一般雇用では別ですが、障害者雇用という働き方を選択する場合には、むしろ企業は配慮事項を知りたがっているケースがあります。なぜなら、障害者雇用枠でエントリーを受けている時点で、皆さんに何かしらの障害があることを企業はすでにわかっているからです。
しかし、視覚障害や聴覚障害、あるいは身体障害もそうですが、どんな障害の方においても、「できること」と「できないこと」は一人ひとり大きく異なります。
そのため、企業の方は本人から「何ができて、何が難しいのか」を明確に伝えてもらわないと、会社として配慮できるどうかの判断が難しくなってしまいます。
ですので、可能な限り具体的に、企業の方に分かりやすく皆さんの特性を伝えることが大事になります👌
2)面接で強みを聞かれる理由と配慮事項との関係性
少し話が逸れますが、面接では必ず皆さんの自己PRや長所、強みを質問されます。
なぜ聞かれると思いますか?理由は主にこの3点です。
1つ目は、活躍できる業務適性を知るため。
皆さんの得意なことや強み=能力を発揮しやすいことを知ることで、その人が自社で活躍できるのかを判断します。
そして2つ目は、その人のポテンシャルを知るため。
直接業務に生かせるスキルでなくても、その人の人柄や、考え方、行動の癖などを知ることにより、求められる能力を伸ばしていくことができるかを判断します。
最後に3つ目が、自分のことを理解できているかを知るため。
あなた自身が自分の強み、そして弱みである苦手な部分をきちんと自覚できているかを企業の方は確認します。
そのため、「どのような環境や職場であれば最高のパフォーマンスを発揮できるのか」「どのような時に弱みや苦手な部分が出やすくなるか」これらを自分で知っておくことは、働く上でとても大切な自己理解につながります。
この3つのポイントと配慮事項は大きく関係してきます。
たとえば、同じ発達障害という診断名であっても、何が得意で、何が苦手かは一人ひとり全く違います。
そのため、あなたが活躍できる環境や業務内容、そして働きやすい職場環境を知ることで、企業の方は自分たちの職場であなたが活躍できそうか?を検討することできるのです。
3)配慮事項の具体的な作成方法
それでは、配慮事項はどのように作っていけばいいのでしょうか?今回は、5つのステップでご紹介をします。
<ステップ1>
まずは、自分が今まで経験した困りごとをリストアップしましょう✍リストアップする時には、ノートに書いたりエクセルにまとめたりして、目に見える形にしていただくことをおすすめします。
<ステップ2>
次に、どんな状況・環境でその困りごとが起きたのかを追記します。今まで自分が経験した困りごとに対して、それが起こった時の状況や環境、背景についてできる限り詳しく思い出しながら書いていきましょう。
<ステップ3>
そして、自分でできる工夫、あるいは今現在している努力を洗い出しましょう。このステップ3のところはできるだけたくさん書いていただくといいと思います。
<ステップ4>
ここでは、周囲に協力をお願いしたいことを洗い出しましょう。ここは一緒に働く周りの方に知っておいてほしいことを書くことになります。ですので、このことを周りの方が知っていたら困った時に相談しやすくなるな、とか、困りごとが起こりにくくなるだろうなと思うことを挙げていただくと良いと思います。
<ステップ5>
最後に、ここまで洗い出したことを、文章にまとめて清書する、という流れになります。
4)配慮事項の具体例
では、配慮事項の具体例を見ていきましょう。この事例は聴覚過敏のある方の例です。
たとえば、大きな音のする場所で会話をする、あるいは作業をすると、集中しづらいという特性があるとします。そのことは「特徴・現状」の箇所に書いてあるように、
大きな音のする場所での会話や作業は集中しづらい傾向があります。
という風に記載していただきます。
そして、こちらの工夫や努力していること、配慮をお願いしたいことについては、具体的な対処法を明確に書いていきます。
静かな場所であれば集中して作業に取り組むことができます。特に作業の指示や、説明を聞く場面では、できるだけ静かな場所で指示をいただけると助かります。
こんな風に具体的に記載すると、企業の方はあなたへのかかわり方を理解しやすくなります。
5)配慮事項を上手に伝えるコツ
そして、次は配慮事項を上手に伝えるためのコツです。
1つ目は、具体的に伝えるということです。初めて見た方でも分かるように表現しましょう。
たとえば、『集中するのが苦手です』という伝え方ですと、ざっくりしているので企業の人にはきちんと伝わりません。そこで、
『周囲がざわざわしている環境では、集中力を保ちにくいです。』
という風に具体的な状況を書くようにしてください。
そして、2つ目のコツは、前向きな表現で書くことです。
たとえば、「長時間働けません」という風に「〜できません」と否定的に書いてしまうと、企業の人にはネガティブに映ってしまいます。そこで、
『短時間であれば集中力を保って働くことができます。」
『1時間仕事をして、5分小休憩をするというようなペースであれば、1日集中力を維持できます。』
などというように、具体的に前向きに表現してみましょう。
最後に、3つ目は、自分からも歩み寄る姿勢が大事です。
たとえば、「わかりやすく指示をしてください」などと一方的にこちらの注文を伝えるような表現ではなく、「自分でもメモを取る努力をします。それでも分からないところは質問をさせていただきます」という形で、自分でもできること、やっていることを先に宣言しておくことがとても重要です。
いかがでしたでしょうか?配慮事項の作り方のステップはイメージできましたか?😊
6)配慮事項のよくあるQ&A
最後に、配慮事項についてよくあるQ&Aをまとめてみました!
まず1つ目です。配慮事項はいつ伝えたら良いのでしょうか?
これは実は、いつでもOKです👌エントリーシートに記載する欄があればそこに書いていただいてもいいですし、面接の時に配慮事項をまとめた書類を提出するのもオススメです。
おそらく、個人面接まで進むと、企業の方から障害特性や配慮事項について尋ねられると思います。
もし尋ねられなかった場合は、あらかじめ自分で用意しておいた資料をお渡しすることでお伝えしていきましょう。
面接時間は限られているので、しっかりとお伝えできていなくても、書類をお渡ししておくことで後からご確認いただくこともできます。自分の特性をまとめておくことを実践していただければと思います。
そして2つ目。選考時に配慮が必要な場合、伝えてもいいのか?ということです。
こちらも、もちろん伝えてOKです👌
例えば聴覚障害がある場合「選考の連絡は電話だと聞こえません。そこで、メールなどの見える形でお願いしたい」といったことをお伝えすることもできます。また、車いすの方の場合はエレベーターがあるかどうかを確認することも問題ありません。
必要な配慮については、自分からしっかり確認をするようにしていきましょう。
また、最近では、精神障害や発達障害の特性について、理解のある企業も増えてきています。
企業によっては、グループディスカッションや集団面接を個人面接に変更して下さるところも出てきていますので、どうしても必要な時は自分から相談してみてください。
ただし、ここでの注意点としては、一方的なお願いをするのではなく、「できればこうしてほしいのですが可能でしょうか?」という形で丁寧に相談することです。さらに、その配慮が必要な理由も併せてお伝えをするようにしましょう。
以上となります!配慮事項の伝え方について、ご理解いただけたでしょうか?☺
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最後まで読んでいただきありがとうございました!それではまた👋