モノクロマティック
もうすごく前のことのように思えるが、5月8日小沢健二さんのライブ「モノクロマティック」に行ってきた。
私は何週間も前から、はじめて小沢さんに会えると考えるだけで緊張と嬉しさでひとりでいる時に声をあげてしまうくらい高揚していた。
いつから曲を聴くようになったか、いつから救いとなっていたかは朧げだけど、何年も前からライブにいつか行こうと考えていたことがやっと今回のライブで実行できた。
年始の小沢さんの東大講義を聞いて、自分の大切なものはリアルで体験しなくちゃと強く思わされたことがきっかけになった。
小沢さんがある光を発売しJFKに降り立った後に私は生まれているので、完全に当時の時代感を掴むことはむずかしいが小沢さんの歌詞の世界などは普遍的で何度も救われた。
当日は雨だった。
雨の中憧れの人に会いに行くというだけで勝手にドラマチックな気分になってしまった。ライブに行く喜びで気もそぞろになってしまい電車を乗り過ごしたり、NHKホールへ向かうまでの自分のミスでさえもドラマチックに感じた。
どんなデートでもこんな気持ちにはならない気がするからやっぱり小沢さんはすごい。
ひみつ道具BOXを受け取り、笛を組み立てネクタイを結びふわふわした気分の中開演した。
フクロウの声が聞こえる、天使たちのシーンの淡々とした真っ直ぐな言葉をきいて涙が止まらなかった。
会場の皆様と大声でラブリーやさよならなんて云えないよやイチョウ並木のセレナーデやある光や強い気持ち・強い愛…(…ほかも全部!)を合唱してる時はこんなに幸せな時間はまたとないと考えてしまうくらいだった。
スチャダラパー登場で隣のお姉さん方と一緒にノリノリになったことも忘れたくない。
すごく大袈裟にきこえるけれど、今まで生きてきた日々とこれから生きていく日々を全て受け止めて肯定してくれたような気持ちになった。
いま、フクロウの声が聞こえるや彗星や流動体についてを歌っている姿をみると私の未来も大丈夫だよねと思えるような気になってくる。
最後に生活に帰る魔法を唱える際に、小沢さんが言った「大丈夫」という言葉が私は忘れられない。
LIFE再現ライブも行けることになったので、それまでは生活を、偉大な具体性を正直に!