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最大限の好きを推しに伝えるために出来ることは全部やる。そういうこと。

私は小さなころから大きな音があまり得意ではない。
大きな音を聞くと、耳がバリバリと鳴る。私自身は物心ついた時からずっとその状況だったからほかの人も同じなのだと思っていた。なんの疑問にも思うことなく生きてきた。
運動会の声援、近所のショッピングモールのライブでスピーカーから出される音、誰かが近くで叫ぶ声。すべて、私にとってはバリバリ鳴るのが当たり前のものだった。

普通はバリバリ鳴らないと気づいてから耳鼻科に行き、相談したこともある。そこで返ってきたのは「耳が敏感なのかな」だった。
きっと解決しようのない問題なのだと知った。

私は、どこにでもいるアイドルオタクだ。ライブにだって、参戦したい。
はじめてライブに行ったのはコロナ禍に入ってから。声が出せない状況ならスピーカーから出る音以上の音はないから、何とか参戦できた。
ただ、そんな時代も終わりを告げようとしているらしい。コールが解禁された。
この時代を、私は、今までのようにライブを楽しめるのだろうか。また、バリバリ鳴る耳に耐えられるだろうか。
そんなことを考えていた。

この世にはありがたいことにライブや音楽鑑賞用の耳栓がある。
これからは耳栓を装着してライブを鑑賞することになるかもしれない。これは、私自身が最大限ライブを楽しむために、愛すべき推したちに最大限の大好きを届けるために必要なこと。

周りの人からすれば耳栓なんて失礼な奴だ、と思われるかもしれない。

私たちには、耳の感覚が鋭くて、大きな音に苦手意識を抱いている人がいることを教えてくれた推しがいるじゃないか。そんな人がいたって良いんだと知っているじゃないか。
だから、お願いします。どうか、耳栓をしている人が周りにいても失礼な人だと思わないでください。非常識な奴だと思わないでください。
みんな、推しが好き。だから、できる限り自分の最大限の好きを伝える環境を整える。それだけだから。


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