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藝大で講義をして気がついた、あまりにも認識されていないアラブの世界

モロッコの歌手Saad Lamjarredが歌っているアラブポップス。MV自体もよくできているのだけれど、注目してほしいのは再生回数。6億回超えというのは、アラビア語話者の多くはあまりCDを購入せずYoutubeを使う率が高い地域に住む人ということを差し置いても、やはり大きな数字だと思う。


つづいて、これは、エジプトの大歌手‘Umm Kulthūm(1904?-1975)。Youtubeができたのは彼女の死後20年が経ってから。それでも今尚たくさんの人に愛されて、新しい動画が挙がり続けたり、有名なミュージシャンからもどんどんカバーされている(ShakiraのEnta Omriとか)。


少し前に大学でアジアに関する講義をする機会をいただいた。美術・音楽の学生の交流科目だったので、わたしの1番の専門分野である「東アラブ地域の古典音楽におけるヴァイオリン奏法の変化」をおいながら、「外界から異物が入ってきた時に、それを自分のもともと持つものを深める方向で活かすのか、それともまったく新しいものを生み出すのかという2つの向きがあって、そういうことをわかっておくことは研究者としても創作者としてもいいよ」っていうことを話そうとしたのだけれど、それ以前に、あらゆる前提条件(たとえば、「西アジアに東アラブが含まれていること」「イスラム教徒が音楽をきくのか」「すべての人がイスラム教徒ではない」「こういうアラブポップスがある」とか)について話す必要があって、うわ〜〜となったのでした。

ちなみに、わたしが話したかったことは、この本の中に書かれています。

※トップ画像は、レバノンで撮ってきた写真です。レバノンは色んな矛盾が詰め込まれた、それはそれは素敵な国なので、いつかnoteでご紹介したい。

#アラブ音楽 #ヴァイオリン #Youtube #民族音楽 #レバノン

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