役者:芳賀鉄也に思うこと。
2022年9月18日(日)に飯能市市民会館小ホールで2年半ぶりに公演を行う“劇団×音楽部”さんの脚本・演出の芳賀鉄也さん。もれなく終わったら速攻うちの公演の稽古というハードなことをやらかすわけですが、さり気なく時間が空いてたりするワシと共演となる山崎正悟とこの間から稽古場にテケテケと顔を出していて、そしてその回数が妙に増えていくという不可解現象が発生中。
( ゚Д゚)どういうこった?
ワシはそもそもよそ様の稽古に顔を出す気力体力はないというのは有名で、ほんと仕事でも極力行きたくないし、さらにそこでなんか言うみたいなこともやはりしないのは有名である。なのにです、行くわけです。うちの公演の稽古時間が少ないのもあるけれど、行って彼の求めているものや思考、目指すところを把握というか、彼が抱えてるものを確認しつつ、さらに共演する山崎正悟にも芳賀鉄也を感じてもらっておく狙いもある。要するにコミュニケーションの時間を省略する為です。ザ・手抜きの為の第一歩とも言います。てか、雑談にしろ、話せばいいってもんじゃないわけ、特にワシが求めるものっつうのは。とすると感じてもらうことが一番早いわけよ。
“劇団×音楽部”さんのという集団、かたまりは不思議だなぁと思ったりもする。社会人劇団で、こう一気に詰めて稽古してという感じでもなく、でもアホみたいに稽古してんだけど、家族的な感じで、でもアットホームという単純な話でもなく、劇団員を包み込むというか抱きしめている。だから見捨てない、見捨てないゆえに引きずられるというのもおかしいんだけど、妙に歩調が合ってしまう。それがきちんとハマれば演出でもある芳賀鉄也の行きたい到達点の作品になると過去の動画見たりしていると感じるんだけど、2年半ぶりだからか、新人がいたり、もともといる劇団員がお休みだったりとかいろんなものが重なり合ってなのか、進んではいるんだけど、停滞というか、空気が煮詰まっているのをぬぼーっと稽古見てて思ったりする。
換気してるのにな!
演出としての芳賀鉄也が言うてることはとてつもなくわかりやすく、きちんと言語化して役者に言うてるから「優しいよなぁ」と暴君と陰で言われるワシはふつーにすんげーなぁと思うし、もちろん演出と名乗ってる人らはいろいろいて、まぁほんといろいろなんだけども、比較するとかなりほんとに丁寧だなーである。劇団員さんらに慎重にやっている、でもその分「役者:芳賀鉄也」が疎かになるではないんだけど、時間が足らなくなっている、確実に。
心配してるわけじゃないんだけど、いろんなものを背負っている分、役者としての芳賀鉄也のありようが気になってしゃーないわけですよ。
「あなた、まだ70%だよね?でも100%には当日持ってくだろうけど、ほんまは200%行けるよね、役者としての底力としては」(圧発言)
稽古にお邪魔-と胡散臭いワシが出没してはそれを毎回感じる。これが自分の団体とか持ってなくてフリーでやってる人なら「んじゃうちの公演で200%行けよ」で済む話なんだけど、でも彼にはずっと続けている居場所がある。あるならばそれは種類の違う限りなく200%まで上げておかないと、彼の居場所とうちの差が違うことというそもそものギャップが発生しない 。何故なら根本的に作ろうとしているもの、作品性・作風が違うからな。彼、そして彼らを応援している人達の為にもそうならなきゃいけん。
ワシは自分を演出と名乗らず、空間操作と言い続けてるのですけれども、それには理由があるわけですがね、いやそれでもね、一応は聞かれれば単純な技術的なこととかはこれでも言えることはあり、でも別によそ様のとこで自分の演出論みたいなもんはどーでもいいと思うというか、わざわざ進んで言う気はなくそれは筋が違うし、んなのバカがやることだと思うし、よそ様んとこだと半分はスタッフ気質あるからさ、演出の意図を汲む方が優先で、その上で補強出来るとこありゃするけどーな話で、出しゃばる気はさすがにないわけよ、だって老体だもん、今更案件ですよ。演出の意図を汲めないスタッフなんぞ、そもそもワシはいらねぇし。だってそんなことをしたら作品が濁るし、最終的に大事にせなあかんのは作品で、そしてそれを伝えるお客様への愛である、その力である。
もれなく自分がされたら嫌なことはしねぇよ。んなもん敬意ないやんけ。
が、あれよ。ワシ、かなりほんまは口が悪いからなんか聞かれてもだな、それをよそ様のところで発揮するわけにはいかねぇから言葉選んでたら「久々に何言うてるんだ、この人は…」と自分でごめんよ…と反省しているんですけれども、いや口が悪くてもそもそも通じないことの方が大半だけどよ、マイ通訳になってんだかなってないんだか不可解極まる山崎正悟同伴だからそこは多分いいんだろう。人身御供ですよ、えぇ。代役出来るのが一番簡単なテンション+モチベーション変える手法やからね。使えるのかは知らないけど、使えるなら使ってくれよ、ここはもう。
すんげーシンプルな話なんだと思うんだよね。(何が?)
「発表会」ではないんだよ、劇団×音楽部さんの公演は。チケ代がいくらだろうと有料な時点で「今までやってきたことの成果見てくれ」では済まされないんですよ。プロだ、アマだとか小難しいことは言わねぇよ。経験がない、浅い…とかあろうともね、板の上に立ったらもうみんな「役者」であって、お客さんから見たら役者とされてしまうわけで、そうなったら脚本が、演出が伝えたいものを体現して、そのキャラクターとして受け手に送り届ける、客席の最後尾の人にまでまんべんなくあらゆる情報を台詞なくても届けなくてはいけなくて、つまりは「余白と存在する」ってことをちゃんとせなあかんねん。「葛藤と動機」を抱えていないといけんのである。責任とは言わんけど、役割である。んでそのどう存在するかっていうのは演出としての芳賀鉄也はずっと伝えてるのは感じるし、それが染み込むのか、どう自分に染み込ませるのかってのは各自の話である。だからこそ「踏ん張れや」だし、演出の芳賀鉄也は見放してないからさ、応えて、応えられるように残りの時間使ってくれや(今でもそうやってるのはわかってるけどもっとやね)と思いつつ、ワシはやはり大人数相手は自分のではやらん・無理…とか改めて思うのであった。(もれなく優しくないからです、ほんとに)
■劇団×音楽部 第11回公演
『物語はエルフを残して』~ブルーロ英雄伝 外伝~
脚本・演出・殺陣:芳賀鉄也
振付:夏代 芳賀鉄也 小林珠実
作曲:夏代 矢野千佳 芳賀鉄也
・日程 2022年9月18日(日)
・会場 飯能市市民会館小ホール ※無料駐車場有
・時間
昼の部…開場/13:00 開演/13:30
夜の部…開場/17:30 開演:/18:00
・チケット料金
一般 2000円 小学生以下 1000円 3歳以下 入場無料
※お買い求めは劇団ホームページのお問合せフォームよりご連絡下さい。
ということで、ワシと山崎正悟は無駄にちまちま行くのである。我々、妙に予定空いていた、いやワシは通院問題があるけどもよ、そこらガチで老体だからよ。でもしっかりちゃっかり本番なり、仕事モード入ってテケテケする気になっているワシと山崎正悟はなんなんだ?と思いつつ、多分我々の中に、根底にあるのは「役者:芳賀鉄也」を観たい+存在してくれという単純な欲望なんだろうなぁですよ。そして演出:芳賀鉄也がやろうとしていることで、伝え続けていることでみんなが「役者」になれるか、なったかですよ。その為にやれることはするわさ、器用貧乏の権化なのもあるけど、微妙に伝説と化してるような気がする「火事場・修羅場にしかいない火消しな似非制作」としては「んー?まったく別にえらいこっちゃとかになっちゃいねぇしな」だしね。
ま、本番を滞りなく、迎える為にですよ、すべては。
そして本番終わったらそっとうちの公演の初稿を芳賀鉄也に差し出して去ろう計画をしている極悪な自分がいる。まだ終わってないけどよ(笑)