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幸せにゴールは必要ない

「結婚なんて若いうちにしなきゃダメなの。物事の分別がついたらできないんだから」
これは生前の樹木希林さんの名言だ。

19歳で結婚をして、結婚生活1年満たずでスピード離婚をした私には、何とも考え深い言葉だと感じた。

どうして子供ができたわけでもないのに、そんなに早い歳に結婚したの?なんて事は、一番に聞かれるセリフだ。

当時の私は、この人が私の人生の全てだと思っていたし、浮気性な男だったけど、この人が死んだ時に私が喪主を努められれば、それでいいと考えていた。

でもそれは、物事の分別なんて全くついていない、大人になったつもりのただのガキの言い分だったと思う。

最近、「そろそろ結婚をしたい」という人によく出会う。どうして結婚したいの?と質問をすると、みんな口を揃えて「20代後半に差し掛かってきたし、子供も欲しい」という。

いつもこの言葉を聞くと、子供を作るということがゴールにあって、その為に結婚をしたいと言っているように聞こえてならない。

もちろんそれ以外にもどうして結婚をしたいのか、ということに対しての要項はあるとは思う。

それでもそのセリフが出てくることに何だか不思議な気持ちになる。

仮に子供が欲しいから結婚をするのであれば、子供が大人になり巣立った場合、残された相手との時間はどう過ごすのであろうか。

もし子供を授かることができなければどうするのだろうか、こいつと一緒にいる意味はあるのだろうか、という疑問が出てきそうなものだ。

結婚は人生のゴールではないという言葉はよく耳するが、本当にその通りだ。

ごく普通の一般的な夫婦というものは、いつまでもラブラブで夜の営みもお盛んである、という事は少ないと思う。
だからこそ身体の関係を超えた夫婦愛というものを築いていかなければならないのだ。
それはそれは、大変な努力が必要だ。

子供が欲しいからとか、周りも結婚し始めたし親からも言われているしとか、幸せになりたいからとか、そんな事は無視していい事だ。

結婚しようがしまいが、結局己の人生である事に変わりはない。

物事の分別がついていようが片目をつぶり、この人となら地獄まで行けると思える人に出会えたなら、その時は結婚してみたらいいと思う。 

人生は色々あるもの。幸せにゴールを定めてしまってはもったいない。




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