素人が知りたい論文レビュー:フォームローリングの効果と筋損傷リスク
フォームローラーは、運動後の回復を促進する効果的なツールとして広く認知されています。しかし、その使用方法によっては、筋肉に悪影響を及ぼす可能性があることも忘れてはいけません。特に、過度な圧力をかけることによるリスクについて、最新の研究結果を踏まえて詳しく見ていきましょう。
今回は下記の論文を参考に内容を考察してみました。
激しい身体活動の後の回復ツールとしてのフォームローリング - PubMed (nih.gov)
過度な圧がもたらすリスク
フォームローリング中に過度な圧をかけると、筋線維や結合組織に微小損傷を引き起こす可能性があります。Journal of Strength and Conditioning Researchに掲載された研究によると、これは特に以下の状況で起こりやすいことが示されています
すでに疲労している筋肉
高強度運動直後の炎症状態にある筋肉
この研究では、適切な圧力でのフォームローリングは筋肉痛を軽減し、パフォーマンスの回復を促進する一方で、過度な圧力は逆効果となる可能性があることが明らかになりました。
適切な圧力の重要性
フォームローラーに関する研究では、90秒間の適切な圧力でのフォームローリングが、筋肉痛と筋機能の低下を改善することが示されました。この研究結果は、適切な圧力と時間でのフォームローリングの重要性を裏付けています。適切な圧力を維持するためには、以下のポイントに注意することが重要です
痛みを感じない程度の圧力で行う
ゆっくりとしたペースでローリングを行う
一箇所に長時間留まらない
適切な目安時間
筋肉の状態や個人の感受性によって、適切な圧力は異なります。研究上でのプロトコルでは、60秒間で5回のゆっくりとしたローリングを推奨しています。これは、個人の状態に合わせて調整できる適度なペースと言えるでしょう。骨に近い部位や、神経が通っている部位では、フォームローラーによる過度な圧迫が神経損傷や骨膜炎を引き起こす可能性があります。これらの部位でのフォームローリングは特に注意が必要です。
フォームローラーの効果
適切に行われたフォームローリングには、以下のような効果が期待できます
遅発性筋肉痛の軽減
柔軟性の向上
血流の促進
筋肉の回復促進
パフォーマンスの向上
Journal of Sports Science & Medicineに掲載された研究では、フォームローリングが運動後の筋肉痛を軽減し、柔軟性を向上させることが確認されています。
効果的なフォームローリングの実践
適切な圧力のコントロール:痛みを感じない程度の圧力でゆっくりと行います。軽度の不快感は正常ですが、激しい痛みは避けるべきです。
時間と頻度の調整:一つの目安として、90秒間のフォームローリングで効果が見られました。個人の状態や目的に応じて調整することが重要です。
専門家のアドバイスを受ける:特に初めてフォームローリングを行う場合や、怪我からの回復期にある場合は、専門家(理学療法士やトレーナーなど)のアドバイスを受けることをおすすめします。
まとめ
フォームローリングは、適切に行えば筋肉の回復を促進する効果的なツールです。しかし、過度な圧力をかけることで筋損傷のリスクがあることを認識し、自身の体調に合わせて実践することが重要です。最新の研究結果を踏まえ、効果を最大限に引き出しつつ、リスクを最小限に抑える方法を選択しましょう。
強い圧をかけないために素材自体をソフトなフォームローラーを
利用することをお勧めします。