施設か里親か。
令和4年3月末付で厚生労働省が公開した資料によると日本に暮らす子供のうち
「要保護児童※」は約42000人。
※保護者がいない児童、または保護者に監護させることが不適当と認められる児童。
そのうち里親に委託されている児童は約6000人。
養護施設・乳児院にいる児童が約30000人。
(里親委託率は令和2年データで22.8%となっていて、これはファミリーホーム(養育者の自宅等で5〜6人の児童を養育する形態)在籍児童約1700人を含む。)
子供は原則家庭的環境による養育が望ましいとされているので、家庭復帰が困難な場合は本来の趣旨だと施設より里親委託をまず検討することになるはずが、「子供を委託するのに適切な里親がいない(←厚労省による調査で里親委託が進まない理由No.1となっている)」等の理由で施設で暮らす子供が圧倒的に多い。歯痒いところである…
現在国の掲げる里親等委託率目標は
3歳未満は2024年度末までに75%以上
3歳以上〜就学前は2026年度末までに75%以上
学童期以降は2029年度末までに50%以上
となっている。これを達成するとしたら単純計算で現在の里親数を最低でも3倍に増やす必要があると聞いた。2021年3月末時点で全里親数が約14400世帯。私の住む自治体では毎年数十人の里親新規登録者がいるそうだが、その一方で里親を辞める人や高齢化・各々の事情で実質稼働できない里親なども常に多くあることを考えると、非常にスローペースの増でしかなく目標の委託率達成は夢のまた先の夢に思える。
そして、里親に委託したいが様々な理由で委託できない子供が相当数いるわけで、単純に里親が増えれば解決、でもない。また里親も人間であり、365日いつでもどんな子供でも受け入れOKというわけにはいかない。我が家も新たにもう1人受け入れられるか…となると、残念ながらかなり厳しい。子供3人というのはなんだか憧れるけれども、なー。
国ははっきりと、子供は施設より「家庭」「家庭的な環境」で育つ方が望ましい、とし要保護児童のうち施設在籍児が大半を占める現状を大きく変えようとしている。実際施設の小規模化は各地で計画・進行しており、流れが緩やかではあるが里親・ファミリーホームへの委託へとシフトが進んでいるように思わされる。
しかしどうしようもない理由で施設にとどまらざるをえない子も現状多くいる。それは大人の都合であったり、本人の事情であったり、様々な理由で。当面ゼロにはならないだろう。
里親をしている以上、社会的養護を必要とする子供たちの全ての幸せを願うと表明しているつもりだが、私達里親は里親委託が叶わない施設の子供たちと普段関わることがほぼない。
子供は子供。
一般の子供も里子も施設の子供も、同じ子供。
大人の手をもっと等しく差し出すことが出来たら良いのにと時々想いを巡らせている。