
【ポイントで紹介】地域の「自立のプロセス」を支えるコーディネーターの仕事とは?
*こちらの記事は、2024年10月15日に実施したオンラインイベント「地域の思いを実現するために、まちづくりの黒衣に徹する ~復興を住民と共に進めるコーディネーターの仕事の流儀」でお話しされた内容の一部を抜粋したものです。
"コーディネーター"の仕事のポイントは?
(二宮)
地域の活性化を進めるために取り組むべきコーディネーターの仕事はたくさんありますが、中でも以下の6つについては重要視してきました。
1. 目標設定と戦略の明確化
最初に取り組むべくは、最終的な目的地を見据えた「段階的なピーク」と「戦略的なゴール」の設定です。地域のみなさんと一緒に、何を目指して活動するのかを共有する場を作っていきます。小さな成功体験を積み重ねながら、少しずつ大きな目標に向かって進んでいくための戦略を描くことが大切です。
2. 人やリソースのつながりを作る
次に、プロジェクトに関わるステークホルダーや、地域のリソースを整理していきます。誰がどのような関心や資源を持っているのかを明確にし、これらを繋げて協力体制を整えます。お互いの強みを補完し合えるようなネットワークを構築することで、プロジェクトが円滑に進む環境を整えていきます。
3. 活動のサポートと改善提案
実際の活動が始まると、継続できるようにサポートを提供しました。時には、「ここまで来たら、もう一息ですね」と励まし、また時には、「こんな方法も試してみては?」とアドバイスしました。課題が見えた際は、適切な改善策を提案し、進行の調整を行います。
4. 新たなネットワークの形成
活動が進む中で、新たなつながりや協力の機会を見出し、人材や組織を結びつける役割も果たしました。これにより、地域全体のネットワークが広がり、より多くの人々がプロジェクトに参加できるようになりました。
5. 活動の評価と成果の発信
プロジェクトの進捗を評価し、地域のみなさんに成果を共有しました。「こんな風に地域が頑張っています!」と、活動の様子や成果を積極的に発信することで、関わる人々の意識を高め、次のステップへの意欲を引き出しました。
6. 自立化へのプロセス
私たちは、地域の方々が主体的に行動できるようになることを目指して、常に四つの質問を投げかけてきました。
「今、何が問題ですか?」「その問題が解決したら、地域はどう変わりますか?」「なぜ今まで解決できなかったのでしょうか?」「解決するためには何が必要ですか?」。
そうした問題の答えを与えるのではなく、問いを投げかけることで、自分たちで考え、行動する場を作ることを大切にしました。
まとめ
これまで地域コーディネーターとして、地域の方々と一緒に様々なイベントを開催してきました。地域の商店街から、「音楽イベントをやりたい」との声が上がったことで、「ロックフェス」を開催したこともありましたし、商店街の方々向けに「経営塾」を4回開催したこともありました。そうしたイベントを通して地域の一体感が生まれ、「これからは自分たちで考えて行動していく時代だ」という自立化の意識を共有してきたわけです。
結局のところコーディネーターの役割は、「地域の人々が自ら考え、行動し、成長していくためのサポート」でしかありません。私たちがいなくなった後でも、地域のみなさんが主体的に活動を続けていけるようにするための「場」を作ることが、私たちの最も重要な使命だと感じています。