カーリングに学ぶVUCAワールドでの生き方ー広石コラムVol.22
コロナの世の中になってから、私のような一般人にもVUCAの時代、VUCAの世界という言葉を耳にすることが多くなりました。が、、こういった横文字が苦手な私はテレビで専門家が話している感じから何となくの解釈で過ごしていましたが、先日過去のコラムを読んでいたらこの「カーリングに学ぶVUCAワールドでの生き方」というタイトルを見つけ、カーリングから学ぶとはどういうこと?と思い読んでいくうちになるほどーと、初めてVUCAの本来の意味を知りました。とてもわかりやすく、尚且つ今の世の中に必要とされていることのヒントになると思います。(事務局 新村)
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冬のオリンピックを見ていると、雪や氷を扱うので、夏以上に環境に大きな影響を受ける競技が多いと感じます。環境が常に変化し続ける中で、その状況にどう適応できるのかも、冬のスポーツでは問われることです。中でも、カーリングには、VUCAワールドを生きる知恵を学べると感じました。
VUCAは、今のビジネス環境を表現する時に使われる言葉で、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとっています。
カーリングを見ていると、選手が全く同じに投げたとしても、氷の状況の変化によってスピードも曲がり具合も変わってくる。自分の投じるストーンは、どうなるか不確実です。また、お互いのストーンをぶつけあうため、3手先まで考えても、その手が使えるかも不確実です。
自分の投じる時の身体の使い方、氷、投じた後のスワイプ、相手の作戦やミスなど実に多くの情報を処理し続ける複雑さがあります。ですので、自分が打った手がいい手なのかどうか、何がいいのか、とても曖昧です。
まさにVUCAの状況で、どう対応するのか。そこにたくさんのヒントがありました。
先ず、きめ細かな修正です。石を投じた瞬間に、思っていた力や氷と違ったとわかった時、すぐに修正が始まります。結果が出るのを待たず、状況でのよりベターを生もうとします。それができるのは、投げた後のスワイプや指示があるからで、「4人で1つの石を運ぶ」のです。
また、すぐに動き出せるのは、毎回、プランBを持って臨むからです。計画が失敗してダメではなく、理想のAがダメならすぐにBにする動き方がチームに根付いています。予定外への対応にもプランBの共有にもコミュニケーションが欠かせません。常に確認し、「そだねー」と確認し続けることが不可欠なのです。
また、失敗したと思ったことが次の局面で、逆にそれがあったからこそのメリットになるかもしれない。いつも計画通りにはいかないので、常に、今の状況を活かそうとします。カーリングでは「相手の失敗を喜ばない」文化があるそうですが、この競技ではスポーツマンシップ以上の意味があると思います。「相手の失敗を喜ぶ」と「自分たちの失敗を責める」は表裏一体です。失敗を悪いとしてしまうと、チームが成り立たないでしょう。
「緻密な計画を立て、決めた通りに実行し、予定通りの成果を出す」
この良いとされていた文化が弊害となるのが、VUCAワールドであり、複雑な問題の状況です。
成果を出すために、絶えず目の前の状況をもとにコミュニケーションし続けることの大切さをカーリングは教えてくれるのだと思います。
(2018年2月28日記)
代表 広石拓司
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今の世の中の状況はVUCAワールドそのものですね。そして、流行語にもなった「そだねー」は私も何かと使わせていただいておりましたが。。このコミュニケーションから生まれる大切さについて改めて考えさせられました。これからは変わっていく状況に対応していけるような対応力をつけていけるように私自身も努力していこうと思います。(事務局 新村)