Ubie Discoveryに入社してからの1年半振り返り
Ubie株式会社にプロダクト開発エンジニアとして入社して1年半が経った。
Ubieでなにしてるの?入社したらどんなことをやるの?ということを知人にもよく聞かれるので振り返りがてらUbieでやってきたことをまとめてみようと思う。
私が所属しているUbie Discoveryは組織運営にホラクラシーというフレームワークを導入している。目的やそれを実現する役割に対しての権限移譲がしっかり実現されているので、一般的な階層型組織と比較するとチームの再編成やメンバーの異動がカジュアルに行われる。
また、複数のサークル(目的単位の集まり。雑に言うとチームのようなもの)に所属するメンバーも多い。
私もこれまで複数のサークルに入ったり異動したりで、様々な業務を経験させてもらった。
医療機関向けプロダクト「ユビーAI問診」
2021年の入社直後は病院・クリニック向けのプロダクトである「AI問診ユビー」の開発に携わった。
AI問診ユビーは様々な機能・画面で構成されている。
患者が院内で使うタブレット用問診画面
患者が来院前・来院後に使うスマホ問診画面
受付や看護師などが閲覧する管理画面
医師向けの問診結果詳細画面
近隣の病院の検索や紹介状の作成をサポートする画面
私はこの中でも特に、クリニックの受付さんや看護師さんなどが使用する管理画面のUI改善を行ったり、患者さんが使うスマホ問診への機能追加を行う事が多かった。
技術スタックは以下。
バックエンド:Ruby on Rails / Kotlin + Spring Boot / PostgreSQL
フロントエンド:TypeScript + React + styled-components
フロントエンドは馴染みのある技術スタックだったが、KotlinもSpring BootもPostgreSQLも初、Railsはまともに触るの数年ぶりだったので入社直後は四苦八苦したのを覚えている。
また、改善のリリース後は、クリック率や離脱率などに変化がないかウォッチする必要があるため、BigQueryで分析するクエリを書くのも日常的に行うっていたし、CI/CDもいじっていた。(UbieではGitHub Actionsを使用している)
新規事業開発
ユビーには「症状検索エンジン ユビー」「ユビーAI問診」以外にもいくつか小さなプロダクトがあるのだが、そのうちの一つの開発にも携わった。
Problem Solution Fitを目指す、いわゆる0→1フェーズのプロダクトだったので顧客のセグメント見直しや課題の探索から行ったり、
医師やデザイナーと協業しながらMVP(Minimum Viable Product)を作ったり、
ユーザーインタビューやログ解析などで仮説を検証したり、
結果をみて改善するプロセスを高速で回すという面白いフェーズだった。
技術スタックとしてはNext.js + Tailwind CSS + microCMSと軽量なものになっており、とてもサクサクと開発ができた。
事業の優先度が代わった結果、別のチームに参画することになったのであまり長くは携われなかったが、
ここでの知見を別のプロダクトに輸入したりといったことができているので、流動性の高い組織はUbie Discoveryのように同時多発的にプロダクト開発をしている組織にはとても効果的だなと感じている。
採用活動
Ubie Discoveryのプロダクト開発エンジニアは、基本的には面接などの選考活動をするサークルに所属することになる。
選考以外にも、採用関連のサークルとして、選考プロセスの改善をしたり、Ubie Discoveryの認知度を高めて潜在的な候補者に興味を持ってもらう施策を考えたりするサークルも存在する。
私は、エンジニア採用市場におけるUbieエンジニアのブランド・プレゼンスを高めたり、応募数を増やすための施策を考えるためのサークルにしばらく所属していた。
それの一環でエンジニアのブログ記事まとめサイトを公開したり
(といっても、元から社内で作成されたものがあったため、私はそれを改修したり公開準備をしただけだが)
社内のエンジニアに「入社の決め手」「入社時の懸念」アンケートを取って採用資料に載せたりした。
JSConfでもスポンサートークでしゃべったりした。
デザイン生産基盤の整備
「デザインによる価値最大化」というサークルで「スピードと品質を両立した状態でプロダクト開発が効率的に進められるようなデザイン生産基盤」を構築しようとしており、その一環としてまずはUbieのプロダクト共通で使えるアイコンセットのパッケージのα版を作ったりした。
figmaのComponentから自動でReact Componentが生成できるようにしている。
その後、@takanorip さんが整備してくれて今はnpmパッケージとして公開されている。
Ubieでのデザイン×エンジニアリングの取り組みについてはこのイベントでも話した。(Youtubeのアーカイブがまだ残っている)
アクセシビリティ改善
toC向けプロダクトではアクセシビリティの改善を進めており、私もアクセシブルなUIコンポーネントを作ったりと少し携わった。
「デザインによる価値最大化」サークルやアクセシビリティについての取り組みはこちらのラジオでも話していた:
新しい人材要件"Focus"の整備
Ubie Discoveryの新しい人材要件(社内ではユビネスと呼んでいる)として、"Focus" という人材タイプが2021年に追加された。
それまでのUbie Discoveryでは、不確実性の高いフェーズだったが故
「プロダクト開発もやる、OKRも考える、ホラクラシーに参加してガバナンスも考える、採用にも全力でコミットする」
というなんでも屋的な人材が多かった。
しかし組織もプロダクトもスケールフェーズに入ってきたため、「そろそろWill/Canのある領域にフォーカスして出力を最大化してくれる人材も必要だ」ということで、「Focus」という人材要件が増え、組織開発や採用活動も含めて全社的に幅広く価値を発揮するのは「Holon」、と人材要件が整理された。
私はこの新しい人材タイプ「Focus」に関して、
選考フローはどうするか、
オンボーディングはどうするか、
入社してからホラクラシーにはどう関わるか、
などの仕組みづくりに携わっていた。
自分の強みはどのタイプかをチェックできる特設サイトもあるので、興味ある方はぜひチェックしてみてほしい。
生活者向けプロダクト 症状検索エンジン 「ユビー」
2021年の秋ごろからは生活者向けのプロダクト、症状検索エンジン「ユビー」の開発をすることになった。
技術スタックは以下のようになっている。
Capacitor
Next.js + TypeScript + CSS Modules
GraphQL
Ruby on Rails / Kotlin + Spring Boot / PostgreSQL / Spanner
症状検索エンジン ユビーの代表的な機能は「症状を回答すると関連する病気や、関連する診療科がわかる」というもの。
私は主に以下の機能の開発や改善に携わっていた。
連携しているクリニックに回答内容を共有する機能
ログインユーザー向けの機能
症状回答後の結果画面で、関連する病気や対処法について詳しく知れる機能
症状検索エンジン 「ユビー」のコンテンツを管理するための社内管理画面
また、Ubieは2021年頃より製薬企業との協業を始めており、それにまつわる機能の開発にも現在まで携わっている。
症状検索エンジン「ユビー」では、気になる症状について回答した際、症状に関連する病気名と共に、製薬企業が持つ疾患の詳細など、疾患そのものや治療の啓発に繋がる情報を提示し、早期の受診の支援をしている。
特に、生活者になかなか知られておらず、確定診断がつくまでに長い時間がかかってしまう希少疾患についての早期発見は難しいチャレンジだが、社会的意義も大きく、ものすごくやりがいを感じる。
Ubieのミッションは「医療プラットフォーム」として「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ことなので、ユビーのサービス上で生活者・医療機関・製薬企業を繋ぐことが重要になっている。
今やこの症状検索エンジン「ユビー」は月間利用者数700万人にまでなった。
アーリーフェーズでは「いかに素早く検証サイクルを回し改善するか」が求められていたが、現在は利用者数が大きく伸び、機能の数やアプリケーションのコード量も増え、メンテナビリティやスケール性、安定性も重要なフェーズになっている。
中長期的な計画をしっかり立てて腰を据えて開発するため、今の自分は他のサークルからはすべて抜け、このプロダクトの開発にフルコミットしている。
まとめと今年の抱負
こうしてみると入社以来幅広くやってきたなと思うが、自分の中では「中途半端にしか関われなかった・成果が出せなかった」と感じる部分も多い。
せっかく今は症状検索エンジン「ユビー」の開発チームにフォーカスしているので、「今年はより生産性高く」を意識していきたい。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?