レーシングカーを速く走らせるために
はじめまして。エンジニアのEmperor-Dです。
近年、ドライビングシミュレーターの進化は目覚しく、一般の方々もシミュレーターを通してレースに参加することで、よりモータースポーツを身近に感じやすくなったのではないでしょうか。
シミュレーターで速く走るにはドライビングスキルは勿論のこと、セットアップが出来ないと望んだ結果を出すことは難しくなっていきます。
ドライビングスキルの向上に関しては練習による改善が見込めますが、セットアップに関してはまず正しい知識と考え方が無ければ出来ません。
そもそもセットアップって何?なんのためにするものなの?どのようにやったらいいの?そういった疑問を解決する手助けになればという思いで、これからこちらのnoteを使って連載していこうと思います。
と、ここまで書いてきましたが、よくわからない人の話に耳を傾けてくれる人なんていないでしょうから、私、Emperor-Dの自己紹介を簡単に。
1.自己紹介
このように時系列に並べるとシミュレーター歴長いですね。実は、レーシングドライバーを目指していた時期が有ったり無かったり… ここら辺の話はまた需要があれば追々してみようかなと…
さて、自己紹介の中でデータエンジニアやトラックエンジニアと書きましたが、レーシングチームのエンジニアと言っても幾つか種類があり、役割が異なります。折角ですのでどんな仕事をしているのかも簡単に解説します。
2.レーシングチームの組織図
チーム構成のイメージ図は多分どのチームもこんな感じです。人数に多少の差はありますが…
今回はエンジニアに関しての役割を見ていきます。(上図右列)
テクニカルディレクター:チームのエンジニアリング統括責任者で、エンジニアリングチームが効率的に動けるように指示を飛ばします。1チームで参戦車両が1台の場合はいないこともあります。(その場合はトラックエンジニアが兼任)
トラックエンジニア:1台の車両を担当し、セットアップ決定、走行プランの組立、タイヤ選択、現場でのセットアップ変更やピットインの指示を出したり、ドライバーとのコミュニケーションも担当します。
データエンジニア:走行データを解析し、車両に異常が無いかを確認。+αとしてはデータから車両の状態を把握してトラックエンジニアにセットアップ提案を行う。
F1ではストラテジーエンジニアやタイヤエンジニアがいたりもしますが、日本では割とトラックエンジニアが全てやっていることが多いです。あまりこの体系は好きではないですが…
ということでデータエンジニアとトラックエンジニアでは役割や責任に差があると覚えておいてもらえればよいかなと。詳しい話は機会があればしますが、入社2年目でトラックエンジニアを担当するのは結構大変で…おかげで今の自分があるので、良しとしましょう。
そんなわけで入社から8年、エンジニアとして仕事をしてきた上で、シミュレーターでのセットアップや走行分析に役立ちそうなことを発信していければと思います。
今後の流れとしてはこんな感じでイメージしています。初心者の方でも馴染み安いような内容から進めてみようと思います。書き始めたらボリューム増えそうだな。
3.今後の記事内容
次回はセットアップ講座に入る前に というテーマで、ドライビングの基礎知識や、レース業界で使われる用語の定義について書いていきます。