カルティエ・ブレッソンとアッジェ
ブレッソンは小型カメラを持ち歩き、奇跡的なスナップを撮り続けた写真家。その「決定的瞬間」は写真家の目から生み出されるもので、けして偶然そこに起こったことにたまたま立ち会えたものではない。全てが完璧に演出されたかのような風景を切り取る技は尋常なものではない。
かたやアッジェは大判のカメラを担いでパリの風景を撮影した写真家。そこにはほとんど人間が写っていないのだが、ガラス板に克明に定着された風景にはまごうことなき「生活」の痕跡が記録されている。
同じように「街」を撮影の場としていながら、全く対照的な写真を、全く対照的なカメラで撮影した二人。どちらもおすすめである。