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ヴェンダースとコッポラの「ハメット」

 監督にとっても製作者にとっても不本意な仕上がりだったのかもしれない。興業的にも成功したとは言い難い。しかし、この映画は作り手の葛藤と観客の不評に苦笑するかのように、ひっそりと確実に「ブラックマスク」の持っていた「いかがわしく醒めた興奮」を伝えてくれる。 

 学校、会社、国家、生命・・・誰もが属さざるを得ないなにがしかの「システム」の中で、人が矜持を失わないためのヒントがこの作品にはある。

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