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杉浦 茂 はおもしろいよ。

「となりのトトロ」で学校の授業中にカンタがノートに落書きしていたキャラクター、あるいは「レレレのおじさん」の元ネタとしてご存じのことと思うが・・・・・・・なに?  知らない? じゃあ 「あばよちばよとっとりけーん」や「あまいうまいおいしい」の名セリフでおなじみの、 え? これも知らない?  「コロッケ5えんのすけ」とか「うどんこプップのすけ」は? 「二本でっぱの助」は出っ歯が二本あるやつだから知っているよね? いやいや、知っていようがいまいが、杉浦茂の漫画どれを見てもめっぽう面白い。どの作品がおすすめとかいうことではなくてこの人そのものがおすすめなのである。推しなんてもんじゃないよ。
 
まずは何も言わずに下の画像をごらんあれ。

「少年児雷也」1987年版 杉浦茂79歳 

 そして次の画像が31年前に出版されたオリジナル版。

「少年児雷也」1956年版 杉浦茂48歳

 注目は右ページ2段目のコマ。
「ぼくね・・・あっ 違った せっしゃは~」を、「あたいね・・・あっ ちがった せっしゃは~」に書き直している。
(やっぱりここは「ぼく」じゃなくて「あたい」のほうがおもしろいかなぁ?)などと考えているジジイ あっ ちがった 79歳のおじいさんというのはいったい何なのだろう。
 
 このページはコマもセリフもだいたい同じだが、まんがはここから先、怒涛のリテイクが開始され、あらすじは同じながらも、全く別の作品に突き進んでいく。凄い、凄い、わらっちゃうくらいスゴい。

「おれは 怪人とんぼ丸」を「怪人トンボ丸 カックイー」に修正。
「これは 大蛇丸といいまして 大蛇仙人の弟子なんです。」「なるほど」を「こいつ大蛇仙人のけらいなのよ」「ア・ソ」に修正。もはやどっちでもいい?

 そして下の画像が小学校のときに描いたもの、ではなく、杉浦88歳、最後の描きおろし作品。

「2901年宇宙の旅」

 いやはやなんともとんでもない人である。できることならこんな老人になりたいものだ。それではみなさん、ごきげんよろしく。

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