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リバーブックス日記 2024.10.26(土)

2024.10.26(土)曇り 17/22℃

11時起床。昨日は0時までの深夜営業で、寝たのが結局5時だった。寝不足ぎみ。週末は13時開店なので、普段よりは慌ただしい。

今日は盛況だった。開店から次々にお客様が来てくださる。店が賑わうと、めきめきと気力が湧いてくるから不思議だ。

昨日、SNSで横道誠・松本俊彦『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』(太田出版)の感想を投稿したのだけど、立て続けに2人のお客様が「昨日のSNS見て読みたくなって」とお買上げ。効果てきめんで驚く。SNSで本の紹介を発信していくことの大事さよ。最近入荷本を詳しく紹介するのが間に合っていなくて、大反省する。

一般的に、本が一番売れるのは発刊直後の2、3ヶ月と言われている。“初速”“初動”といって、出版社もPRに力を注ぎ、書店店頭やSNSでも目にする機会が一番多くなる期間だ。この時期にコケると挽回がなかなか難しく、僕も出版社の営業時代に、新刊を初速でいかに売るかに必死だった。

そんな経験があるから、選書する時の基準は、内容が面白そう、著者が良さそう、タイトルがキャッチー、などに加えて、版元(出版社)や著者のSNSを通じて感じ取る“気合い”みたいなのが、僕にとっては重要だったりする。

その本について投稿したら、すぐに版元や著者がリポストして拡散してくれたり、リプライしてもらったりすると、なんだか本を売るために一緒に戦っている仲間のように思えてきて、本屋としても気合が入る。その気合はどういうわけかちゃんとお客様に伝わって、ちゃんと売れていくのだ。

夕方、飲食業界で働くDさんがご来店。ビールを飲みながら、自然と“儲かりまっか”という話題になるのだけど、飲食では季節の狭間は必ず売上の谷があるのだという。気温が下がり始めると人は急に外に出なくなり、下がり切ると慣れてまた外に出るということらしい。読書の秋、食欲の秋みたいな“○○の秋”というフレーズは、暑い→寒いの狭間に人を外に出かけさせるための動機づけなんじゃないか、というのがDさんの意見で、なるほど。納得。

Dさんと話している間に、ラブライブファンのお客様がビールを飲みにいらして、自然と会話が生まれる。こういう異なる界隈が偶然出会って話しているのを見ると、なんだかとてもピースフルな景色に見えてくる。

僕はリバーブックスを交流スペースにしたいとはぜんぜん思ってない。わざわざ本屋来て誰かとつながりたいか?くらいに考えていて、本屋はあくまで本屋というスタンスだ。でも店内で本を選んだり、ビールを飲んだりする中で、自然に交流が生まれたらそれはそれで素敵だと思う。誰かと一緒でも、孤独でも楽しめる本屋になりたい。

21時に閉店。三島駅近くのビアバー「スライダーハウス リパブリュー」で開催しているイラストレーター・サノユカシさんの展覧会を観に行く。広い店内を壁、天井、窓際など立体的に使っていて、上手いなと思った。ポップな作風のイラストで、ビールを擬人化したようなキャラクターが踊っている。作品の点数が多く、かつ飲食店の店内なので、やりすぎるとうるさくなりそうなんだけど、目立ち過ぎず、でも埋もれずで、素敵な展示だった。今夜はユカシさんもいて、初めてお会いしたリパの川口さんを交えて名物のハンバーガーを食べながら楽しくお話。ビアバーなのに、僕はクルマがあるので無念のジンジャーエール。ぜんぜん酔ってないので、本屋についてつい真面目な話とかしてしまった。ビール飲んでヘラヘラしたかったな。




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