Emotion Hack で記憶力を高め、人生を変えよう!
こんにちは、Emotion Tech代表の今西です。
私は幼少期〜学生時代くらいまで、人の顔色や気持ちがとてもとても気になってしまう人間でした。
そんな生い立ちもあってか人の感情を知るということには今でもとても興味があります。
そして、9年前に人の「感情」を「テクノロジー」の力でひも解くことで、企業・従業員・顧客が三方よしとなる社会をつくることをミッションとするEmotion Techを創業しました。
そんなわけで、仕事的にも「人の感情とは?」みたいなことを日々考えています。
そんなある日、
実は「感情」と「記憶」はめちゃめちゃ密接に関係しているじゃん!
ということを知りました。
皆さんも経験があるとおもうのですが、昔いった旅行の写真とかを何かの拍子に見返していている時、
「このときは確かこんなこと考えていたな〜」
「なんかいやな気分だったな〜」
とかを思い出すことってありますよね?
でも、それって別に覚えておこうと思っていたわけではないですよね。
また、何十年か前の旅行の写真を久しぶりに見たときでもこういう現象が起こったりするんですよね。
では、なぜこんなことがおこるのでしょうか?
実はこれ、脳の中の海馬が「これは長期記憶に残しておかなくては!」と勝手に脳の貯蔵庫にストックしているんです。
で、何故海馬は勝手にそんなことをしているのかというと、その体験をしたときに感情が動いたからなんです。
人って感情が動いた事や体験を勝手に記憶に強く残しちゃう性質があるんです!
不思議ですよね〜。
ということは逆に、
これを絶対記憶したい!という事があったときは、その対象に対して
感情を意図的に動かすことができれば覚えられる!
ってことなんです。
「いやいや、そういうけど、楽しい旅行とかだったらまだしも、仕事でつかう堅苦しい専門用語とか、資格試験の暗記とか、そんなものじゃそもそも感情動かないでしょ〜!」
と思いますよね。
わかります。
ただ、私は感情を意図的に動かす方法(=Emotion Hack)に取り組んで、実際にこんな事↓ができるようになりました!
・ランダムに並んだトランプ1セット(52枚)のカードの並びを紙やペンなど一切つかわずに空で暗記し、正確に再現する。
上の画像はMemory Leagueという世界中のユーザーと記憶力の対戦をできるサービス。「Cards」という種目の画像。52枚のトランプを約1分半くらいで暗記して、正確な再現に成功したときの画像です。
・規則性のない30枚の画像を順番に記憶していき、その順番どおりに並びを正確に再現する。
上の画像も上述のMemory Leagueの「images」という種目の画像。30枚の画像を25秒くらいで記憶して、その並びを正確に再現できたときの画像です。
・ランダムに並んだ2進数704桁を紙やペンなど一切つかわずに空で暗記し、正確に再現する。
704桁はこんな感じです。この量だと覚えるのにざっくり10-15分くらいかかります。
ここまで見て、
「もしかしたらもともと記憶力が良いんじゃない?」
「スナップショット的に文字や画像などを記憶できる技能があったんじゃない?」
と思っていただいた方もいる(?)かもしれませんが、全然違います!
学生時代から大体記憶力は平均程度か、少しひいきめに見ても平均ちょい上くらいでした。
なので、ごく普通の人でもEmotionをHackできればこの程度のことは全然できるようになっちゃいます!
脳って元々とんでもないスペックをもっているんですよね。すごい〜
しかし、EmotionをHackすると記憶力もあがって、一生自分の血肉になるスキル化できるという事実ってあんまり世の中に知れ渡ってない気がしてます。
これ、めちゃめちゃもったいない!
ということで、今回どうやってEmotionをHackするのか?のエッセンスだけでも知っていただけたら嬉しいです!
EmotionをHackする方法
実力テスト
具体的に方法を説明する前に、読前/ 読後の変化が見えたほうがより面白いと思いますので、1分だけ簡単なテストにお付き合いください。
お時間のない方はこの項目スキップしてもOKです!
<テスト>
今から13個の単語を以下に記載します。紙などには書かずその20個の単語を頭で順番に記憶していってください!
(面倒ですが、1分スマホのストップウォッチなどで計って記憶してみてください。)
ではどうぞ↓
・ライオン
・電子レンジ
・油
・母親
・将棋
・自由の女神
・数学
・グラタン
・台湾
・タピオカ
・ダースベイダー
・電球
・パンダ
・ウーロン茶
・お風呂
・アンパンマン
・砂糖
・ニンジン
・10円玉
・スコップ
さて1分経ったら上のワードを見ないでいくつ思い出せるか、今度は紙に書きだしてみてください。
どうでしょうか?
「10個以上おぼえていた!」という方はすでに相当すばらしい記憶力の持ち主です。
「やばい・・3つしかおぼえてなかった...」
という方、安心してください。
だいたいみんな最初はそのくらいです!
この記事読み終えて、ちょっと練習すれば、1分13個は楽勝におぼえるくらいになります。
さて、ではEmotion “No” Hackのときの実力を認識していただいたと思いますので、ここから本題のEmotionをHackするやり方について説明します。
脳の性質
まずは、Hackをするために脳の性質を説明していきます。
性質1:脳は文字・数字よりもイメージ(画像)を記憶しやすい
心理学では「画像優位性効果」、通称PSE(Picture Superiority Effect)として知られていますが、人は文字や数字単体を覚えるよりも圧倒的に画像を覚えることのほうが得意です。
分子発生生物学者のジョン・メディナ博士の研究によると、
・文字と言葉だけの伝達→72時間後、そのうちの10%しか記憶に残っていない
・上記に写真や画像を加えた場合→72時間後、そのうちの65%が記憶に残る
ということで文字や言葉だけの伝達に比べて、写真や画像は記憶に残す上で非常に有利にはたらきます。
したがって、ものを記憶したいときにはひと手間かけても
対象をイメージに変換
してあげることで圧倒的に記憶しやすくなります。
ちなみに、静止画だけでなく動画でもイメージに残りやすくなります
性質2:脳は違和感があるものを記憶しやすい
人には無自覚的に感情を動かされてしまうような事柄があります。
具体的には、
巨大なもの、膨大な数のもの、痛いもの、怖いもの、性的なもの、等
です。
たとえば、つぎの写真をよく見てください。
①普通の仏像
次に、下の画像②を見てください。
②巨大な仏像
いかがでしょう?「②の仏像デカっ!」と思いませんでしたか?
次にまた2つの画像をみてください。
こちらは先程と同じ仏像です。
①普通の仏像
次に下の画像③を見てください。
③膨大な数の仏像
③について「かず多っ!」「なんなら、ちょっとこわっ!」とか思いますよね。
こういうことなんです。
①〜③の写真では、
「仏像」という言葉からイメージされる①のイメージを
②は大きさ
③は数
で大きく裏切ってくるので、そこに脳は違和感を感じてしまうんですね〜
ということで、覚えたい対象を巨大化したり、膨大な数にしたり、という方法が脳の違和感をつくるよい方法なんです。
性質3:脳は個別事象よりもストーリーを覚えやすい
たとえば、先程のテストを例にとってみます。
・ライオン
・電子レンジ
・油
・母親
・・と個別に覚えてもよいのですが、
以下のようにストーリーをつくって想像してみてください。
「ライオンが電子レンジに噛みついたら、噛んだ部分から油が流れ出した。それに気がついた母親が急いで油を拭いた。拭きながらふと横をみると将棋をやっている自由の女神がいた。その自由の女神の体には何故か数学の公式が書き込まれており・・」
どうでしょう?
話はむちゃくちゃですよね。むちゃくちゃなんですけど、そこにストーリーができている分、単体より全然覚えやすい気がしませんか?
このように単語を単体で覚えるのではなく、繋げて無理やりにでもストーリーにしてしまったほうが脳も受け取りやすいんです。
「いやいや、なんとなくわかるけど、ストーリーを創るのが難しくね?」
と思われたかもしれません。
確かにうまいストーリーを作ろうと思うと練習が必要かもしれませんが、ストーリーそのもののうまさや綺麗さはさして重要ではないんです。
どちらかというと、どういう繋げ方をしようかな?と頭の中でこじつけてアウトプットする作業プロセスに意味があります。
なので、神経質にならずにどんなものでも良いと思って繋げてしまってください。
「とはいえ、全然想像力がないからストーリーを創れない、どうしよう・・」
という方に朗報です。
実は先程性質2で触れた違和感をつくる技術が活躍します。
例えば、先程の文章に性質2の「巨大化する」「数を増やす」のエッセンスを加えるとこんな感じになります。
「ライオンが巨大な電子レンジにかぶりついたら、大量の油が部屋中に吹き出した。その油で部屋にいた母親が溺れかけている。必死にもがいていたら巨大な将棋のコマがプカプカただよってきて、それに命からがらつかまった。すると、コマの上には巨大な自由の女神がのっかっており、その足には膨大な数学の公式が書き込まれていた・・」
さっきよりもストーリー全体により違和感がでた感覚がありませんか?
これ、実際自分でやってみるとわかるのですが、巨大化したり、数を膨大に増やすだけでストーリーがとてもつくりやすくなります。
なので、ストーリーづくりが苦手な方は最初は巨大にする、とか、数を膨大に増やすというデフォルメをした単語のイメージ同士をぶつけたり、接触させるだけでも記憶できると思います。
Emotion Hackのエッセンス
ここまでで3つの脳の性質をみてきました。
これらを逆手にとるとHackになります。
Emotion Hack
Hack1:記憶したい対象をイメージ化する
Hack2:記憶したい対象に違和感をもたせる(大きくしたり、数を増やしたり)
Hack3:記憶したい対象をストーリー化する
このHackさえ知っていれば、知らなかった状態に比べて、確実に記憶力を高めることができます。
さて、それではちょっとした確認テストをやってみましょう。
今から先程と同様に20個の単語を並べます。
これらを同様に1分で覚えてみてください。
その際、それぞれの単語をイメージ化して、できるものは巨大化あるいは数(量)を膨大に増やしてストーリーをつくることを意識してやってみてください。
では、いきます↓
・シマウマ
・クリスマスツリー
・まな板
・サッカーボール
・コーラ
・財布
・ラーメン
・インド
・ウルトラマン
・お雑煮
・スマホ
・オセロ
・逆立ち
・コンセント
・蛇
・モナリザ
・ジーンズ
・電話機
・ティッシュペーパー
・ケーブル
どうでしたでしょうか?
もしbefore/Afterで記憶できる個数が1個でも伸びていれば素晴らしいことです。センスあります!
もしうまくできなかった場合でも、ちょっと練習すれば必ずできるようになります。
そうなると圧倒的に自分の脳力があがっていることを実感できるようになりますよ!
ちなみに、実は今回紹介できていないHackの方法はまだまだあって、
たとえば、
脳の性質:脳は「場所」に関する情報を記憶しやすい
という性質をハックすると
Hack:記憶したい対象を自分の知っている「場所」にひもづけていく
という強力なHackができあがります。
これは2500年くらい前、古代ギリシャの詩人シモニデスが編み出した「座の方法」(The Method of Loci)の中心概念で、最近では「記憶の宮殿」とか「場所法」などとも言われています。
よくドラマ・映画・小説などに出てくる天才的なキャラクターが実は結構みんなつかっているHackです。
たとえば、Netflixの人気ドラマ「メンタリスト」のパトリック・ジェーンとか、映画「羊たちの沈黙」のレクター博士とか、コナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ」のシャーロック・ホームズなどです。
こちらは、具体を説明するとまた長くなってしまうため、今回は割愛します。
もしニーズありそうなら続編も書こうと思っていので、
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記憶は人生そのもの
最後に当たり前な話ですが、人は何かの活動をする際に記憶に頼っています。
たとえば、旅行をするときにも、車に乗るときにも、仕事をするときにも、家族とたわいのない会話をするときにも、何をどうすればどういうことができるのかはすべて記憶頼りです。
また、未来について考えるときも自分に蓄積された情報(=記憶)がなければ何も考えることができません。今までの人生の中で体験したこと、学んだことなどの蓄積があって初めて未来を生きていくことができます。
その意味では、記憶は人生そのものといえるのではないでしょうか。
今回ご紹介した方法で、目先の話では、仕事に必要な知識を習得しやすくなるとか、資格試験の勉強が楽になるとか、本の内容を頭にいれやすくなるなどに活用いただけると思います。
ただ、ここまで読んでいただいたみなさんには、より長い視点で、自分の感情に向き合い、記憶力を高め、自分の人生そのものを豊かにしていくきっかけにしていただけたらと願っております!
最後にちょっとだけ告知を(We are Hiring!!)
Emotionから派生して記憶の話を書きましたが、我々EmotionTechではテクノロジーを活用して人の感情を科学し世の中に新しい価値を届けていく事業をやっております。
今回のように脳科学に関わることや心理学に関わる研究なども、実際の事業に組み込み、社会実装していっている会社です。
ただ、やりたい事や可能性がある事は山積みなのですが、まだまだ仲間が足りておりません!
もしこちらを読んでいただいて、少しでも興味お持ちいただけた方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に新しいチャレンジをしてみませんか?
最後までお付き合い頂きありがとうございました!