ワークエンゲージメントで楽しく働ける会社へ
近年、社会の労働状況は大きく変わりつつあります。少子高齢化、サービス業の増加や最近では新型コロナウィルスの影響による在宅勤務など、働き方が大きく変化しています。
その変化の中で個人や組織においてより従業員の精神健康を良くし、やる気を引き出させるための方策も重要となってきています。
そこで、従業員の労働における精神健康に関連した「ワークエンゲージメント」に注目が集まりつつあります。人間のポジティブな側面に注目したこの新しい概念について説明していきたいと思います。
ワークエンゲージメントとは?
ワークエンゲージメントとは従業員のメンタル面での健康度を示す概念で「熱意・没頭・活力」の三つが満たされたポジティブな心理状態のことを指します。
これと対極の概念として燃え尽き症候群でも知られるようなバーンアウト(注1)が挙げられます。
3つの要素
①熱意
仕事に誇りややりがいを感じている
②没頭
仕事に熱心に取り組んでいる
③活力
仕事から活力を得て生き生きしている
この3つが揃った状態のことを指し、これが高い従業員はこれが低い(≒バーンアウト)者よりも仕事に対してエネルギッシュに参加すると言われています。
なぜワークエンゲージメントが大事なのか?
①従業員のメンタルヘルスケアに有効
仕事に対してどう捉えているのかを表す状態としてワークエンゲージメントだけではなくバーンアウトやワーカホリック(注2)も挙げられます。しかしこの二つは先ほど挙げた三つのうちのどれかが欠けている状態であり、「仕事をせねばならない」という認知によって突き動かされています。この状態が続くと心も体も疲弊した状態となり結果的にうつ病などの精神健康にも害を及ぼしかねません。
しかしワークエンゲージメントが高い状態だと「仕事をしたい」という認知によって突き動かされている状態であるため心身の健康度が高いまま仕事をすることができます。
②会社における生産性の向上
先ほども説明しましたが、バーンアウトやワーカホリック状態だと仕事に対してマイナスな認知であるので結果的に離職率も高くなると言えます。それに対してワークエンゲージメントが高い状態は精神健康も良いため組織に愛着が湧きやすく、離職率も低いと言えますし実際にそういったデータも出ています。
さらには仕事に対して積極的に取り組むことが可能になるため効率が上がり、組織全体の生産性向上にも大きく繋がります。
ワークエンゲージメントを高めるには?
①個人資源の充実
個人資源とは具体的には自己効力感や自尊心、楽観性などの心理的資源のことを指します。また、ストレスに対して対処するためのスキルだけではなく仕事に対しての動機付けも高めることでより効果的に向上が可能になると言われています。
②仕事の資源の充実
上司や職場からの支援のように周囲からのサポートや仕事のコントロールをうまく調整することで仕事へのパフォーマンスをあげたりストレスを低減させることを指します。具体的には課題のレベルを調整したり周囲からの相互評価などの資源を取り入れることで向上が可能になると言われています。
これら二つの資源は密接に関係しており、一方を向上させることはもう一方も向上させることにつながるということも実証されています。
現在ではいかに効率をあげるかということに対して生産ラインの見直しや機械の導入など物理的な部分に重点が置かれがちです。
しかし一旦そこから距離を置いて従業員のメンタルケアに注目して取り入れ、環境から変化を促すことで従業員の幸福度も上げ、会社自体の生産性の向上にも繋がりより良い会社にすることができるかもしれませんね。
注1:バーンアウト...疲弊し仕事への熱意が低下している状態
注2:ワーカホリック...「私は働かねばならない」と思い込み、私生活も犠牲にして仕事に打ち込んでしまう状態
さいごに
新型コロナの影響で、テレワークへの移行を進めている企業様が増えており、その中でも社内の従業員ケアのための体制づくりが課題となるケースが多くあります。
「メンタルヘルス対策といっても何からすればいいかわからない...」
「急なテレワークへの移行で従業員へのケアが行き届かない...」
「ストレスチェックの導入もそろそろ検討しないと...」
などなど、様々な課題を抱えられている人事担当者の方は多いのではないでしょうか?
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