世界一100年企業の多い国、日本の老舗企業が「繋ぐ価値観」
先日、創業70年を超える飲食店の店主とお話しているとき
彼の事業への目的や使命感から、
創業100年を超える長寿企業が世界一多い、
日本独特の企業文化を探るヒントを得ました。
老舗の事業拡大に成功した若手経営者が目指すもの
店主は現在30代半ば、いわゆる若手経営者であり
受け継がれてきた技術を守りつつも、時代にあう味へと変化に挑
Twitter,Tiktokなどを活用しSNSマーケティングなどで
効果的なマーケティングを行いながら
1店舗から4店舗に事業拡大に成功しています。
若くして老舗店の店主(社長)になり、何を目指しているのか?
という問いに対して
「長い時間の流れのなかで、事業を繋いでいくこと」
より野心的なVisionを語ると思いきや、
とても抽象的で概念的な回答が返ってきました。
受け継がれる「事業を繋ぐ」価値観
店主の言う事業を繋ぐということは
手元にある資産を投資し、事業を通じて売上に変換していく。
無駄なコストはかけず、最大限の利益にしたあと
資産に戻し、再度、事業に投資していく。
このサイクルを通じて、資産をより大きくしながら、
次の時代に繋いでいくことが「仕事」であり
資産が大きくなればなるほど、
事業(飲食店)に関わる人が幸せになっていく。
売上を「贅沢=自分の欲」に回すことは一切興味がなく
欲を満たすために稼いでいるうちは
「仕事」ではなく「私事」であると言い切っていました。
店主が先代からお店を引き継いだ当時は
古くて小さな1店舗のみでしたが、
現在は4店舗を展開するまでに成長しています。
それでも、店主は食べるものはカップラーメン、着るものはユニクロ、
自分自身の生活に余計なコストをかける価値観はないそうです。
長い時間の流れのなかで、事業を繋いでいく
それは「私事」ではなく「仕事」である
この価値観こそが、70年受け継がれてきたものであり、
世界中で最も稀有な企業長寿国の価値観の1つではないでしょうか。
価値観で繋がる輪
現在、コロナの影響で苦しい戦いを強いられていますが
先代の店主のときから10年以上通い続けている
常連客が集まり、若い店主を支えています。
事業を繋ぐという価値観は、店主・スタッフに
受け継がれていくと同時に
お客さんの共感をよび、応援してもらい、
一緒になって繋いでいく価値観になっています。
以前に老舗企業を対象にしたアンケート調査で
「事業が窮地に陥ったときは、誰かが必ず助けてくれた」
という回答が多く寄せられていました。
事業を繋ぐという価値観を共有した、パートナー企業・顧客が
窮地を救い、事業を繋いだことも一因ではないでしょうか。
価値観を共有した店主・スタッフ・お客さんの創る空間は
全国展開するチェーン店では感じることの出来ない
独特の居心地のよい、特別なお店を創りあげていました。
私も、すっかりハマってしまい、今後も応援し、通い続けます。