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【映画】すずめの戸締り @ イオンシネマ

【すずめの戸締り】

監督:新海誠
脚本:新海誠
原作:新海誠
音楽:RADWIMPS
   陣内一真
上映時間:121分

岩戸鈴芽︰原菜乃華
宗像草太︰松村北斗

岩戸環:深津絵里
岡部稔:染谷将太
二ノ宮ルミ:伊藤沙莉
海部千果:花瀬琴音
岩戸椿芽:花澤香菜
芹澤朋也:神木隆之介
宗像羊朗:松本白鸚[2代目]

製作年度:2022年
製作国:日本


2022/11/22

※ネタバレ注意※









 こういった映画ではいつも思うのですが、主人公の鈴芽は、いつ草太に恋をしたのか分かりにくいです。一目惚れだということでしょうか。
 それにしては、『君の名は。』の時に比べて、出会いのインパクトが薄く感じられました。

 新海誠監督の映画は、『君の名は。』でも、『天気の子』でも、賑わった世間の評価ように思い入れが出来ず、毎回アラを探してしまうのは、物語への没入感が薄いからだと思っています。
 映像も綺麗だし、キャラクターも生き生きしていて、ストーリーも良く出来てるとは思うのですが、どうしても綺麗事のように思えてしまうのです。

 神戸で地震を経験した者として、アラームが何度も鳴る様子は、今一つピンときませんでした。このシステムが、まだ新しいものだからかもしれません。
 大きな地震が来る前に、地中を這いながら近付いて来るような山鳴りは、多分、フィクションの世界で表現するにはとても難しい感覚でしょう。
 その山鳴りは、ミミズがゆっくり倒れてくる音なのだとしたら、大地震を経験した人間がここまで鈍感だろうかと疑問に感じてしまいます。

 また、会う人全てが良い人過ぎて、こんな風にポンポンと調子良く女子高生一人で旅が出来るものかと思いました。このあたりも、現実感が無く、物語へ没頭出来なかった理由の一つかもしれません。
 女の子が一人でヒッチハイクなんて、本当に危ないとしか思えませんでした。

 そういえば、新海監督は、物語を日本神話と絡めるのが好きみたいですが、サダイジン、ウダイジンの存在が気紛れな神様そのもので良かったです。
 人の命の価値は、日本神話を読んでいたらそんなものだろうと思えました。

 個人的に新海監督の映画は、処女作である『ほしのこえ』が一番だと思っています。今観ればアラも多い作品ですが、思いがギュッと詰まっていて切ない作品になっています。
 画面が綺麗になった分、この思いの要素が薄まってきたようにも思うのですが、もしかして人が演じる間のようなものをアニメーションで描こうとしているのかと思わなくもありません。

 いろいろ気になることばかり書いてしまいましたが、今回の映画『すずめの戸締り』は、以前の『君の名は。』や『天気の子』よりも面白かったです。
 今回、地震をテーマとして向き合った勇気にも、心から賛辞を送りたいと思いました。

 今後も、進化を見届けていきたいと思う監督の一人です。

★★★★☆

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