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「やればできるのに、、、」では叱咤激励にはならない

相談室でアスリート学生さんの話を聞いていると
「『やればできる』って周りの人には
言われるんです」とよく聞きます。
もちろんうれしそうに言っているわけではなく。
なぜなら,「やればできるのに」の後に続くのは
「やっていない,あなたは努力が足りない」
もっとひどい場合は
「やらないあなたが悪い/ダメな奴」と
本人を責める言葉だからです。
そうはっきり言わなくても,
本人にはそう伝わるわけです。
もちろん文脈がありますから,
そう言われて奮起する人もいるかもしれません。
また,何かをやろうとして自信がないときに,
「大丈夫。やったらきっとできるよ」と言われたら
背中を押されて一歩踏み出せるということは
あります。
でも,多くの場合「やればできる」は
ポジティブに受け止められません。
その一つの理由は
いくら周りの人は“できる能力がある”と
思っていても,本人は本当の意味で
“自分はできる”と思えていないことがある
からです。
「才能は周りの人に見つけてもらうもの」
という言葉を聞いたことがあります。
自分のことはわかっているようで
わかっていないものなのです。

過去の経験を元に自分はこんなものだろうと
限界を無意識に引いていることも多々あります。
例えば,
高校や大学の指導者に才能を見出されても,
小中学校までで「どうせお前にはできない」などと言われ続けた場合には
無意識に刷り込まれているので,
到底”自分はできる”とは思えないわけです。
“やったらできる”と思えないことに
本気で取り組めるでしょうか?
私は難しいと思います。

「やればできるのに」と
やらないことを指摘する前に,
まず“できる”と気づかせることが必要だと
思います。

“どうせ”はNGワードと以前書きましたが,
“やればできるのに”も
それに近い言葉で注意して使う必要があります。
指導していて、もうちょっとやればできるのに
と言いたくなった時は
どうしてやろうとしないのか、
本人に尋ねて話しあった方が良いと思います。
何か理由があるはずです。