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どうしてロックダウン(または蔓延防止法)をやるのか

日本とイタリア(およびヨーロッパ近隣国)では感染規制に対する温度差が違う。緊急事態宣言も蔓延防止措置法も、イタリアのロックダウンとは全く違う。これまでもいろいろ言ってきたが何度でも言おう、ここでは、正当な理由を書いた外出証明書を携帯しなければ、外にも出られなかったのだ。感染防止のためにレストランはおろか、ショップ、映画館や劇場、ジム等が、ほとんどこの一年、休業を強いられてきたのだ(ショップはオープンできている時期も結構あり、ミラノでも先週から再開しているが)。蔓延防止措置法で「20時で閉めなければいけない」=「20時までなら開けてもよい」のなら、イタリアの飲食業界の方々は、小躍りして喜ぶだろう。

飲食業界、エンターテイメント業界の人たちが、「店を再開させろ」というデモや抗議をする気持ちはわかるし、正当な権利だと思う。営業停止を命じられて、十分な補償をしてもらえないなら、それは当然のこと。

でも、野党の政治家たちや、営業停止を余儀なくされている当事者でもない一般市民が、いたずらに「店もレストランも劇場も再開すべき」と吠えたてるのには納得できない。何のためのロックダウンなのかを冷静に考えるべきだ。風紀委員のようなことを言うつもりはないが、規制があるのは感染を抑えるため。ひいてはあなたが感染するかもしれないという可能性を減らすためなのですよ、自分が外食したいからとかジムに行きたいから、という理由で無責任なことを言うな。感染の危険を棚に上げてどうのこうの言うのはおかしい…と言いたい。去年の今頃のロックダウンではそれどころではなく、みんなが規制を守っていたはず。もちろん、長い規制に疲れ、精神的にも経済的にも追い詰められてはいるが、油断から来る部分は大きいのではないか。

ここまではイタリアの話だが、日本も多分似たり寄ったりではないだろうか。イタリアでこんなに辛い思いをしている私は、日本の皆さんの気持ちはわかる。でも、日本の皆さんには、イタリアのようになってほしくない。第一波の時は確かにイタリア人の意識の低さはあった。でもそれ以降は私たちだって、別に必要以上に羽目を外したりはしていないのに、変異株でこんなことになってしまっているのだ。

( nodakaoriさんの画像を使わせていただきました。ありがとうございます)

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