International School Nadiについて
ここで簡単に、私が今在籍している学校について紹介しよう。
全校生徒は幼稚園から高校を含めて300人弱、という極めて小規模の学校である。各学年1クラスのみ、私の学年の生徒数は10数名である。
そこには基本的にローカルの生徒はおらず、通っているのは大抵がオーストラリア人・ニュージーランド人。または、元々グローバルかつ裕福な家庭で産まれた、あるいは欧米人の養子として育ったインド人・フィジー人。
一定数アジア人もいるが、あくまで留学として一時的にフィジーに来ている生徒がほとんどである。
ちなみに、転入時に私以外に在籍していた日本人は3名で、いずれも保護者がフィジーでビジネスをしている家庭の子であった。
ESL(English as Second Language)という、英語を母国語としないの生徒のための補習クラスは、かなり小規模ではあったが存在する。アジア人は無差別にESLとして分類されるが、私は過去にインターに在籍していたことと、中学時代に模擬国連に参加した実績等で、ESLを免除された。
ここに通学する欧米人、またインド/フィジー人の生徒は、その家庭での生活水準の高さから「環境の悪いローカルの学校に通うなんてありえない」という意識から、インターに在籍する子が殆どである。
一方、アジア人留学生はそもそも「英語を学ぶ」ためにフィジーのインターを選んだ生徒が多い。特に、韓国人学生はフィジーでの安価なホームステイを選んで、単身留学させる家庭ばかりである。
ゆえに、生活水準、英語力そして勉強に対する意識の違いから、クラス内で決定的な格差が生まれるのだ。これにより、少数派のアジア系はアウェー感に苛まれるのだった…
学校はIBのプログラムに基づいて学習カ
リキュラムが進められた。既述の通り、IBにはPYP(小学校)MYP(中学校)DP(高校)の三段階があるが、最終的なバカロレア資格はDP-ディプロマ・プログラムでの二年間を通して取得することになる。
しかし、正式な資格として認定されるdiplomaコースを選ぶのは半分で、残りの半分は同じ内容を学ぶが認定は取得しないcertificateコースを選んでいるのが、当校の学生の現状である。
こうして校舎の写真を見ると普通の学校に見えるが、全教室にクーラーが完備されており、この衛生レベルを持つ学校は、フィジーにはインター以外にあり得ない。
この学校の中は、発展途上国の現実とは切り離された別世界のようである。