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私の転校履歴2:日本の中高一貫校

熾烈な受験勉強の甲斐あって無事第一志望の中高一貫校に合格し、中学校の三年間と高校一年の冬までをここで生活した。念願の、制服と校則の存在しない、男女共学のこじんまりした学校であった。

1.『日本人』の教育水準をクリアするための勉強
2.英語力を生かした学校での活躍
3.学校での活動を通して見つけた将来の目標


1.『日本人』の教育水準をクリアするための勉強

入学直後はまず、周囲のレベルの高さに圧倒された。この学校は他校に例を見ないほど奨学金制度が充実していたため、一般的に公開されている当校のレベルを優に越えた天才秀才たちが、クラスメートに存在していたのである。

しかし、そんな環境の中でも、授業を通して自分の向き不向きを発見していくことができたのが私立中学の魅力だと思う。校舎の設備等だけではなく、先生方も個性的なバックグラウンドを持ち、話が面白く、各担当科目に情熱を注いでいる先生が多かったのだ。結果的に、小学生の常用漢字さえ書けなかった自分が、現代文・古典・英語を含めた文系教科に自分の強みを見出すことができたのであった。

他の科目も同様必死で取り組んだが、残念ながら他の優秀な級友たちに食らいつくのがやっとという有様であった。ただ、中学から高校に至るこの時期に、一般的日本人学生のスタンダードなレベルの勉強を理解し、毎回の中間・期末試験において必死で勉強したことは、帰国子女でありながら日本人として生きる上での常識を得られた貴重な経験だと思っているし、テスト前の猛勉強の習慣が養われたこと自体が、今の自分の財産であることは間違いない。

2.英語力を生かした学校での活躍

入学当時はスーパーグローバルハイスクールとして認定されていた当校。
そのバックグラウンドから、毎年数名の生徒が当校から海外で行われる模擬国連へ送り出されていた。

英語での本格的な討論を行えるという点に魅力を感じ、中学一年生のときにジュニア模擬国連の参加者として応募。ネイティブの英語講師による面接を経て、無事メンバーとして参加するに至った。

本会議では初参加と言うこともあり緊張感に苛まれ、事前準備していたスピーチが飛んでしまったり、英語力や目の付け所、理論展開力など、他国の学生には及ばないところも多々あった。しかし、中学一年においてグローバルな大舞台に参加し、他国の学生と議論しながら、包括的なレゾリューションに至ったこと自体、帰国子女としてのスキルを最大限に生かすことのできた貴重な経験だったと思う。


3.学校での活動を通して見つけた将来の目標

また、中学二年生から高校一年生にかけての三年間はマルチメディア研究に本腰を入れて活動した。というのも、私が通っていた中高一貫校の文化祭では「表現」というキーワードを起点とした演劇・映像などの発表が主な催し物として扱われており、動画、アニメ、ゲーム制作等の活動が活発に行われていたのだ。

そんななか、私は中学二年生の頃自分の提出したコメディの台本がクラス動画に起用され、その流れで動画制作の監督を務めることになった。
完全な初心者ながら動画の構成・編集まで手掛けることとなったが、私は動画によるエンターテイメントの制作に魅了されることとなった。時間と寝食を忘れて夢中で制作したその動画は、中等部企画の人気投票で一位を獲得することができた。

その後、映像制作のウィンターキャンプに参加したり、Adobe Premiere ProやAfter Effect等映像制作を独学したりする一方、脚本も地道に書き溜めていった。そして、翌年に次いで翌々年と、企画代表兼監督としてクラスを統率し、その後も中等部2位・高等部1位と優秀な成績を修めた。

この経験から、私は映像コンテンツの制作・提供に携わる職業に興味を持つようになった。数あるメディアの中でも、映像は「視覚的情報の連鎖」という特徴から、言語的差異による情報伝達のバリアが比較的少ない表現手段である。海外のコンテンツを吸収するためにも、そして、グローバル化を見据えた映像制作のためにも、自分が海外の映像メディアに触れる必要がある。
自分の新たな目標を達成する上でも、英語をブラッシュアップすることがこの先の自分の武器になる。この理由も、私のバカロレア留学を後押しすることとなった。

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