会社、職業、生き方
将来どんな仕事がしたいかという質問を大学生に投げかけてみた。ぼんやりでもやりたいことがあると答えたのは30人中たった2人。あとは明確な何かはなく、とりあえず就職できればいいという感じの反応だった。
友人から会社、職業、生き方についての話を聞いた。今多くの人がどの会社に入りたいかと考え、就職する。就職すると会社で仕事(職)を教えてもらう。そして会社で仕事をしている中で部署が変わったり、転勤したりし、それによって生き方が決まったり、変化したりする。でも、その生き方は本当に望んだものなのか。本当はどんな生き方がしたいかがあり、その生き方にあった職を選び、それができる会社にはいるべきじゃないのか。そんな話だった。
次男は高校受験で高校を選ばなくてはならなくなっとき、「将来何がやりたいかもわからないのに、どの学校がいいかなんてわからない」と言って悩み苦しんでいた。あのときより成長し、少しは冷静にいろいろ考えられるようになった今の私には、彼の悩みはそのとおりだとわかる。子供は幼い頃は何かできると褒められ、親も子供の将来が無限に広がっていくように感じるものだが、成長するにつれ、現実はそうじゃないと外堀を勝手に埋めていく。あれもこれもと夢と希望の翼を羽ばたかせていたのに、羽毛を一本一本むしり取られ、最後には翼も切り取られ、羽ばたくことをやめ、空を見上げながら重い足取りで歩んでいくようになる。
どう生きたいのか?なぜ自由に生きられないのか?生きていくにはお金がいるし、お金を手に入れるためには働かないといけない。たとえそれが望んだ仕事でなくても。じゃあ、この貨幣社会、消費社会が元凶なのか?
なぜ人は生きるのか?その人生で何を達成しようとしているのか?それぞれにその答えは違うのだろう。ただ、とりあえず就職し、会社の歯車の一つとなり、何十年も生きていくということに私自身は魅力を感じないし、それしか思い描けない大学生を残念に思うのだが、そういった世界しか思い描けない社会を作ってしまってきた自分を含めた大人たちが、やはり頭を整理して動くしかないのかもしれない。