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「好きになるのがこわい」と伝えた話

彼に「好きになるのがこわい」と話せたので、その時のことを書いてみたい。言えそうなタイミングがめぐってきて、ついでに他のこともたくさん話してきた。

彼の部屋でおしゃべりしているとき「こうやって言い合いとかにならないで、話してゆっくりするのがいいよね。エマはリラックスできてる?」と言う彼。

私といるときの彼が心から寛いでいる様子なのは少し前から気づいていた。一方、私の方はそこまでリラックスできていないことにも気がついていた。彼を好きになることに対して、私にはこわい気持ちがあって、せっかく2人でいても没入はできない。それを言えたら言いたいな、と思っていた。

今がそのタイミング、と感じて、「リラックスできてるような、できてないような感じ」と答えた。続けて「好きになるのがこわいっていう感覚がある」と話した。

彼は「それは心が傷つきたくないからで、当たり前のこと。俺もそう」と答えてくれた。 

私はさらに「好きになっていいのって聞くと、いいよって言ってくれるけど、本当にいいの? 終わりにできなくなっちゃうよ」とも聞いてみた。

彼は「いいよ、っていうのは俺は簡単には言ってないから」と言ってくれた。これには驚いたし、いいなと思った。その時の正確な言い回しは残念ながら記憶できなかったけれど「俺はエマのことを嫌いにならないし、ひとりで悲しむことにはならないようにする」という内容を話してくれた。

私は「でも、気持ちは変わるでしょ。好きじゃなくなったらそう言ってほしい。嘘で好きというのはやめてほしい」と言った。

彼は「俺、エマに嫌いな部分がない」と言ってくれた。私は冷静に、それは私だってそうだけど、まだ始まったばかりだからね、と思っていた。

この日、不思議と言葉がうまく出てきてくれたので、気になることを重ねて聞いていった。

「前の人には好きじゃないのに優しくしたって聞いたから、自分もそうされてないか心配になる。何でも話してくれて嬉しいけど、裏の話を聞いちゃったから、好きって言われてもサービスなのかなと思っちゃう」

彼はそれを聞いて、そんなことないよ、というような、思わず笑ってしまうという感じで、笑顔になっていた。でも、私は本当に心配になる。彼は「〇〇さん(前の人)は気が強くて優しくしないと言い合いになって疲れるから、好き?と聞かれたら好きと返したりしていた」と答えてくれた。

「ずっとこのまま一人でいいと思ってきたのに〇〇さんがいたことで、セックスとかもするようになったし、そこは感謝してる」「だから邪険にできなかったところもある」と話してくれた。それは前にも聞いて知っていた。もともと女性どころか人づきあい全般を避けるタイプの彼が私にLINEを聞いたのも、〇〇さんとの関係が先にあったからだと聞いていて、私も理解している。

次に「私に好きって言ったのは嘘じゃないの?」と聞いてみると「嘘じゃない。大好き」と言ってくれた。それなら、よかった。動物的な勘というか感覚的にはこれは嘘ではないはずだ、と感じていたけれど、確信が持てなかった。もう信じよう。

「最初は私の片想いみたいな感じだったのに、いつからそうなったの?」と聞いてみると「初めの頃は俺も長く続くと思ってなかったけど、こんな寛大な人いないもん。他の人としてもいいなんて人、探してもいないと思うし、俺はエマとこんなに合うなら他の人探す気もないし、エマとずっと会いたいと思うし」と話してくれた。

私が他の人としていい、と言ったことを彼はこれまでにも話題にしてくるから、彼にとって大きなことだったのかなとは思っていた。でも、あれがきっかけということ? 意外だな、というのが正直な感想。

私としては、棚からぼたもちのような感じがする。本当にそう思ったから言ったことで、好きになってもらえたなら、運がいい。努力していない部分でうまくいっているなら、彼の言うとおり、こんなに合う相手はいないのかもしれない。

質問を重ねて、しっかり答えてもらえて、安心できてきた。まだまだ言葉が湧いてきて、彼に「話だけで体の関係がなくてもきっと満足だし、話がなしで体の関係だけでも満足だったと思う。両方っていうのがうまくいきすぎてる気がする」と言った。

彼は「みんなこうなんじゃない、好き同士だったら。これが普通なんだよ」と言う。「そういうのを知らなかった。これが普通なんてすごいことだよね」と言うと「今幸せで、一緒にいたいんだから、このまま続ければいいんだよ」「ずっと先ののことは何があるかわからないけど、俺は何かあったら話すし」と言われた。

彼は、その言葉どおり、何でも話してくれるだろう。やると言ったことはやる人なので。ただ、私のことを悲しませたくない、という気持ちも持ってくれているから、「悲しませてもいいから本当のことを言ってほしい」ということは今後も念押しして伝えていった方がいいなと感じた。

くわしく書くと長くなるので短くするけれど、彼の前の女性は彼が優しく接したせいでストーカー化してしまった。彼が引っ越しをしたから何とかなったけれど、優しくしたのはよくないことだったと私は思う。彼は「相手が怒って叩いてくるから」なんて言ってたけれど、それでも彼が優しくしなければ、彼女はストーカーにならずにすんだかもしれない。

今は私より彼の方が浮かれている時期のようで「何もかも合う」って感じで話をされるけれど、今書いた「優しくすること」に関しても考え方はちがう。私は、本当のことを伝える方が優しいと思う。

彼と体の関係になる前は今の逆で、私は彼に片想い状態で、浮かれていた。そんな私に対して彼がわざと塩対応をして冷静にさせて、割り切った関係ができるかと聞かれたうえで体の関係を持った。2人がいっぺんに浮かれないところも、相性がいいのかもしれない。2人とも、もしくはどちらかが冷静でいないとリスクが高まるから。

最近ずっと感じていた「こわい」という気持ちを彼にわかってもらえて、ありがたかった。こわい気持ちに対して、何か策を講じたわけでもなかったけれど、彼に話せたら、もうほとんどこわくはなくなった。

微妙な気持ちや、言うほどでもないかなということも我慢しないで話せて、ちゃんと聞いてもらえた。私は普段から言わなくてもいいかな、ということは言わないできたのに、ちがう自分になれたことも嬉しかった。

話を聞いてもらって、彼からも話してもらって、恋愛の高揚感とは別の安心感を感じた。これこそ私がほしかったものだ。これからも、彼には何でも話していけばいいんだな、と思えた。

気持ちを人に言うことが私は苦手なのに、彼が聞いてくれる人で、おまけに少しもこわくないから、言えるようになった。きっと今後の人生にも役立つ経験になった気がする。心からありがたい。

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