彼との会話

前回のnote「彼に感謝を伝えたい」(↓)を投稿した後に彼との約束があったから、余すことなく感謝を伝えるつもりでいた。

でも、彼を前にしたら、そんなことはすっかり忘れ、「ありがとう」は言えなかった。すぐそばにいる彼を目で追ったり、聞かれたことに答えたりするので精一杯。

何かしてもらった時には「ありがとう」と言えるのに、出会えたこととか普段してくれることに対しての「ありがとう」は急に口が重くなってしまう。

時間はたっぷりあって彼とたくさん話せたので、話したことを少しでも書きとめておきたい。話題は、仕事のことやどんな映画を見るのか、私の夫について、など多岐にわたっていた。

彼は、ある映画の影響で「虫を殺さないようにしている」と教えてくれて、それが私も同じだったので「私も虫は殺さないです、それは考えてやってます」とすかさず言った。

私はこのぐらいのことはみんなあるかな、と思って、誰かと「同じだ」と思っても伝えないこともある。でも、彼と同じなのは、やっぱり嬉しくて、自然と言えた。

ちなみに私が虫を殺さないようにしているのは、地球が人間のものではないと思ってるから。自分も人間だけど、人間に対して、何をえらそうに、と思うことはある。

彼が影響を受けた映画を私は見ていないけれど、彼は前に「人間が好きではない」と言っていたから、私と共通するところはあるかもしれない。その映画を見てみたくなった。

私の方からは、この日の前日に彼が多忙だったので、体調が心配で会わないことも考えていたことを話した。それから、いつも私の都合に合わせてくれて大丈夫か、あらためて聞いてみた。

彼は、体調が悪かったら風邪をうつしたら悪いから伝える、とのこと。でも、38度の熱でも出ないかぎり会いたい、と言ってくれた。すごく嬉しかった。私と会うことは彼にとっても大事なことで、予定に組み込まれていること、と言ってくれた。

私の都合に合わせることについては、私が結婚しているから、そこは合わせる、と。「もし俺が夜に会いたいって言ったら困るでしょ」と言われて、たしかにそのとおりだった。

「俺が熱をあげるわけにはいかないから、そこは考えてる」と彼は言っていた。家の合鍵も私に渡したいと思ったけれど、物があることで発覚する確率が上がるからやめている、とも。まだ家に行ったこともないのに、そこまで考えてくれてるんだ、と嬉しかった。

これまで彼の言うことは本当だったから、きっと本当にたくさん考えて行動してくれているんだろうな。嬉しいし、ありがたい。

別の見方をすれば、結婚を望まない彼と離婚する気がない私は、うまい具合に利害が一致している。私はこんなふうに、嬉しいときほど、ドライな見方をする。きっと失うことがつらすぎるから、無意識に対策をしているんだと思う。

彼も、2人の関係について似たようなことを言っていた。「おたがいに利用しあってると思えばいいよ」と。

私がはじめに理想としていたような、相手も自分を好きになってくれて始まる関係だったら、相手の人が場合によっては私の家族にリークする可能性もあり、危険きわまりない。
 
彼なら、ほぼ絶対的に秘密を守ってくれると思う。警戒心が強く、最悪なケースを考えると言っていたので。

本当に彼が私の相手になってくれて、よかった。
彼には思わず「ラッキーでしかない」と言ってしまった。本当はたくさん「ありがとう」と言いたかったのに、まったく色気のない言葉が出た。彼が笑ってくれたので、まぁいいかと思う。

最近の彼は、相変わらず「好き」という言葉を使わないけれど、それにもかかわらず、他の言い方でたくさん「好き」という気持ちを伝えてくれているように感じる。あくまで、私はそう感じるだけだけど、でも、きっと好きではいてくれている気がする。

それに、実は前々回に会った時に一回だけ「大好き」と言ってもらえた。例外中の例外で、どうして言ってくれるの?とは思ったけれど、聞き返して否定されると困るから、そのまま大切に記憶した。

これからも「好きって言って」と言ったりはせず、発言や行動からわかる彼の気持ちをできるだけ逃さずに読みとっていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?