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初ゲンカを終えて

彼とのケンカは、前の記事を読み返しても、書いていない部分を思い出しても、彼が自分勝手だったと私には思える。

私、そこまでおかしなことは言っていないし、急に怒らないでほしかった。いきなり「終わり」ってなんなの、とは思った。

でも、たまたま私には「負けるが勝ち」という考えがあったから、細かいことは抜きにして、彼の怒りを鎮めることを最優先できた。そこは運がよかった。もし、私がちがうタイプなら、このままお別れだったかも。

15年ぐらい前、30代前半ぐらいまでの私だったら、こうはできなかった。夫とよくケンカしていて、負けたくなかった時期も長くあった。

今の私は、どんなに自分が正しいと思えても、我を通すとどれだけ疲れたり大変なことになるか身をもって知っている。それよりも先に相手の怒りを鎮めた方が効率がいい。

悲しみもあったけれど、彼の部屋に向かいながら、けっこう冷静に「怒ってるのは確実だからまず鎮めないと」「何を言われても刺激しないでおこう」とは思っていた。

彼には言わなかったけど、夫婦ゲンカの経験が今回役に立った。ひたすら忌まわしいだけの黒歴史だと思ってきたけれど、あれが役立ったことは素直に嬉しい。

彼がいつもと違って怒っていても、支離滅裂で手がつけられなかった昔の夫に比べたら、ものすごく穏やか。私が言い終わるまで話は聞いてくれたし、それに対する回答もくれた。

そのぐらいのことできる人は他にもいるだろうし、そもそも彼がいきなり怒ってきてこんなことになってしまったわけだけれど、彼の怒り方が私の許容範囲だったことには安心できた。

怒ってこれぐらいなら、今後も別に怖いことはないなって、思えた。彼の方でもだいぶ抑えてくれていたとは思う。後から聞くと、隣の人が在宅してることもわかってて、声が迷惑にならないように私を玄関に入れて、声も大きくしないようにしていたそう。

ケンカ後に会ったときの彼は、たくさん謝ってくれて、いつもと同じかそれ以上に優しかった。

彼からの言葉は以下の通り。

「俺が取り乱した」
「エマになんでわかってくれないんだって駄々こねたってこと」
「実は精神状態の方がギリギリだった。心配かけたくなくて体調って言ってた」
「エマが帰った後も1人で泣いて、赤い目してごはんを買いに行ったんだよ」(怒った初日のこと)
「来てくれたエマの勇気に助けられた」

他には
「俺のさよならは真に受けないで、突発的だから」
「エマには全部手の内明かしてるからわかってると思った」
とも言ってた。

彼は私と会うようになった頃、まだ前の女性とつながっていて彼女に「さよなら」と送ったのに相手から連絡があれば応じたりしていた。私もそのトーク画面を見せてもらったことがある。

でも、私は信じやすいようで「本当にさよならかも、もう一度だけ会えれば会いたい」という気持ちで彼の部屋に急いでいた。大丈夫だとは思っていなかった。

彼に「不安だったよ、もう会えないかと思った、悲しかった」と言うと「ごめんね」と頭を撫でてくれた。

そして
「俺はエマのものだから」
と言ってくれた。
続けて
「俺はエマのものだし、ずっとそばにいるから。もう安心していいから」
とも言ってくれた。
2回も言ってたから聞きまちがいではない。

本当に驚くようなことを言ってくれる。その後も仲良く過ごして帰ってきて、日を置いてこれを書いているけど、今思うと信じられないぐらい。

それを言うなら、私の方こそ彼のものだよ、と思う。

私はもちろん、彼もきっと誰かが誰かのものなんてことはない、とわかってはいるだろうけど。

一緒にいて、一貫して私の方が彼が好きだろうなという実感がある。私は彼のことを俗にいうハートの目で見てると思う。でも、彼は私のことをいつも冷静に見ていて、恋してるっていう感じがない。そういう人なのかもしれないけど。

でも、そんな嬉しいこと言ってくれるなんて、今は彼もけっこう私のことを好きになってくれてるのかな、と思う。

気持ちは変わっていくものだと思っているから、浮かれないようにしてしまう。でも、彼が自分から言ってくれた言葉は、大切に覚えていよう。

そして、今みたいに仲良く過ごせることは奇跡のようなことだから、この縁を大切にしたい。


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