後藤明生氏は、1982年8月に『女性のための文章教室』、1985年9月に『自分のための文章術』という本を刊行しています。これは『婦人公論』に連載した「文章教室」をまとめたもので、前者は1980.1-1981.2の二年分二十四篇、後者は1982.1-1984.12の三年分三十六篇が掲載されています。
また、明生氏は、1979年4月には早稲田大学第一文学部文芸学科の非常勤講師を一年間つとめましたが、同時期にNHK文化センターからの依頼による「文章教室」の講師をつとめました。
講談社現代新書『小説-いかに読み、いかに書くか』は、NHK文化センターでの「文章教室」(1981.1~1982.3)で話したことをもとにして書き下したものです。
「文学講義CD『吉野葛』(1982.4.30)」はその続きですが、「文章教室」はその後もしばらく続いていたようです。(小説『この人を見よ』参照。)
「文章教室」あるいは「文章講座」
『婦人公論』誌上の「文章教室」は、「編集部から選ばれた十通前後の投稿原稿が運ばれてくる。わたしは毎月それを読み、中から一通を選んで、いわゆる添削をする。それから短い批評文をつけて編集部に返す」(『女性のための文章教室』p.3)というものでした。
「読む」=「充電」の体験
(続く)