20か国300人と対話をした話 #1
数年前、30年の人生の中ではじめて「挫折」というものを味わった。
それまで何だかんだで上手くいっていたツケが、とうとう回ってきのか、と感じだった。自分自身を立て直す処理の仕方も知らなかった。
約8年間勤めた航空会社を辞めた。キャンバスが真っ白になった。
30歳手前で正社員を辞めた事へのコメントとアドバイスは、思った以上に厳しくて、心配している反面で興味本意で色々聞いてくる友人も少なくなかった。追い打ちをかけられた気分になった。
退職した後悔は正直全くなかった、でも、じゃあそこから自分は何がしたいのか全くさっぱり分からなくて、とりあえず部屋に閉じこもってしまった。
目を瞑り続けた。(つまり、「寝る」という行為)
そんな状況が3ヵ月過ぎようとしたとき、1通のfbメッセンジャーに通知が届く。
"How are you doing? "
トルコ人の友人からだった。
私は正直に全て話をした。
彼女は当時、台湾から紹興市(中国浙江省、紹興酒の発祥地)に1人で移り住んでいて、月に1回のVisa runを繰り返している生活をしていた。
私の状況を聞くなり、2週間後にタイへ行くから、一緒に来るように提案された。
(※Visa run- 住んでいる場所のVisaの延長をすることが目的の旅行のこと)
あまりにも急な話で、本気で言っているのか何回も聞いた。
"Are you serious? "
"Yes, I'm serious. " と何回も返信が返ってきた。
Hotelとか全部私がアレンジするから、とにかく航空券だけ手配して来て!
その後、私の住んでいる中国に一緒に帰って、あなたは休めばいい。
"All right, I'm gonna book my flight. "
彼女を信じて、とにかく行ってみることにした。
その時は想像もしていない、人生観が180度変わるバックパッカーの旅がここから始まったのである。
(つづく)