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240929雑談

特に何というわけでもなくなんとなく文章を書く気分になったので2日連続更新である。
日付変わったけど。


自分の中にあんまり直視したくなかったり、あることを認めたくなかったり、必死に隠しておいているようなものがある。

とはいえそうしたものは隠そうが目を逸らそうが見ないふりをしようがそこに「ある」ということは自分自身が一番よく分かっているのであり、嫌だなぁーと思いながらどうしようもなく途方に暮れてまた目を逸らし隠し無いかのように振る舞おうとしてうがぁ~~~~となる。

最近、私の大好きな栃木の金髪にーちゃん秋山黄色の新譜が出て、先発のリリース群やアルバムインタビューを読んだりだとかしてその内容から聴く前からなんとなく気が重いな聴くのが恐いなと思いつつ、まぁリリースされりゃ聴くわけで、聴いて「んなぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!」ってなりましたね。

擬音ばかりではないか。
言語化しろよ仮にも文字表現を扱う人間だろって話なんですが。

前述のように私が「あーこれは隠しておこう。出さんとこ。」と思っている部分、非常に平易で安直でありふれた言葉で言うところの「弱さ」や「痛み」というやつですが、そうしたものがバンバン眼前にさらけ出されていくかのようなアルバムというか、私が必死こいて後ろに引っこめておいているようなものをこの人はここまで生々しく歌にして世の中に出すのか、、、って軽く引いた。

とはいえ、今までの作品だってずっとそうであったし、今回が特別というわけでもない。
ただ、深度が若干深くなったというか。

あくまでもこれを作って歌っているのは秋山黄色なわけで、当然全く私のことではないのだが、この世のあまねく全ての表現というのは受け取った瞬間から必ず大なり小なり何らかに作用し、輪郭を持つ。

暗闇に光を当てればその形が浮かび上がるように。
更にはそこに色濃く影が落ちるように。
鏡の前に立てばその姿が映るように。
壁にぶつかったボールが跳ね返るように。
透明の窓ガラスに絵の具をぶちまけるように。

隠してきたものを言い当てられた嫌さと、「弱さ」や「痛み」を無かったことにされなかった安心感のようなものが綯い交ぜになる。

まぁ、自分の中のそういった部分に嫌という程向き合わされることになるので「なんてものを届けてくれたんだ、、、」と頭を抱えてしまうのだが、これを鏡として認識してしまうということは即ちその向こう側に似たような像を結んでいるということになるので、こんな「弱さ」や「痛み」やその他諸々含めた「生きていくことの煩わしさ」がこの音楽の「向こう側」にあるということを想像せざるを得ないわけでそれはそれで「大丈夫なのか!?」という余計な心配を抱える羽目になる。

勿論、そこまでは私の関与すべきところではないし、考えなくてもいいことだ。
所詮音楽をいくら聴こうがそこに何を見ようが読み取ろうが解釈しようがそれはどう足掻いてもそこにあるのは結局自分の顔でしかないのだから。分かりようもない。分かり得ることは無い。

ただ、秋山黄色という人の作る音楽は決してそればかりではなく、それを踏まえた上での置き所として、或いはそれらとの付き合い方、活かし方についてのヒントを提示しているところが優しいなと思う。甘すぎるんじゃないかと思う程。そこが私とは決定的に違う。器がでかい。

私には結局「他者」という視点が欠如しているからこそ、「弱さ」や「痛み」は隠さなければならないし一人で抱えていかなければならないし無いことにしなければならないわけだが、自分の持ちえない視点の獲得で確かに救われる部分はあるのかもしれない。少しは。

「SKETCH」の”心を映す鏡がいるんだよ”と、アルバム本編ラスト「生まれてよかったと思うこと」の”この絶望が誰かの意味になること”って歌詞が非常に好きなのだけれども、これってどちらも無責任な否定でも肯定でもなく、既にそこにあるどうしようもなさに新たな視点を与えることで視界が広がるようなフレーズなんだよな。

私は音楽はできないからはっきり明言も主張もしにくい感情については短歌という手法で暗号化して詠むのだけれども、それだって「どーせお前らなんもわからんやろ」みたいな読み手を全く信用していないスタンスなので、なんか、こういうヘヴィーでシビアでシリアスなものを扱う表現で以て尚且つ優しさとユーモアを持ち合わせているっていうのは、やっぱりすげぇなと思う。人間性が高次すぎる。借金800万でも。

音楽を精神性だけで語ろうとする人間のことをキモいなと思うんですが、今まさに自分がキモい。音楽を語れよ。

まぁこのアルバムに言及すればするほど自分語りで自分のキモさが露呈するのは分かりきっていたのでnoteでこそこそやってるってわけ。
あーやだやだ。情緒めちゃくちゃだよ。

そんな秋山黄色のアルバムです。

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